米財務長官「米中は健全競争を」 中国首相と会談、摩擦の火種

中国の李強首相(右)と会談するイエレン米財務長官=7日、北京(ロイター=共同)

 【北京、ワシントン共同】中国・北京を訪問中のイエレン米財務長官は7日、中国の李強首相と会談した。バイデン政権発足後、財務長官の訪中は初めて。経済対話を通じて悪化した米中関係の改善を探る。だが中国は情報機器の国産化を進め、外資排除の姿勢を鮮明に。米側も先端半導体の供給網から中国を締め出すなど、貿易摩擦の火種はくすぶっており、関係改善への道は険しい。

 米中対立は日本を含む国際的なサプライチェーン(供給網)へ打撃を与え、国際経済にも大きな影響を与える。

 イエレン氏は会談で米中の経済関係について「勝者総取りではなく、健全な競争を求めている」と述べた。ただ「米国は安全保障のために的を絞った行動を取る必要が出てくる」とも発言。安保を理由にした貿易制限を正当化した。その上で、誤解を招かないよう意思疎通を図る考えを強調した。李氏は「雨が降ったときには足元ではなく、前を見るべきだ。中国と米国の関係も同様だと思っている」と述べた。

 イエレン氏は9日まで滞在し、何立峰副首相らとの会談が取り沙汰されている。

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