女性シンガー、ココ・リーさん死去

映画『グリーン・デスティニー』の主題歌のヒットなどで知られる歌手の李玟(ココ・リー)さんが7月5日、亡くなった。享年48歳。デビュー30周年という節目の年に飛び込んできた実力派シンガーの訃報に香港市民も大きなショックを受けている。7月6日付香港各紙によると、昨年乳がんが見つかった李さんは手術などの早期治療を受け治癒したものの、最近はうつ病を患い精神的に落ち込んでいたようだ。16歳年上のカナダ籍の夫とは数年前から別居しており、離婚準備を進めていたという。近年のそうした心身を疲弊させる出来事が原因かは分からないが、7月2日に自殺を図って病院に搬送され意識不明の状態が続いていたと報じられている。1975年に香港で生まれた李さんはその後、家族と共に米国に移住し同地で育った。1993年に香港の無線電視(TVB)の歌唱コンテストで準優勝してレコード会社と契約し、翌94年には台湾でCDデビュー。人気は中華圏にとどまらず米国でもCDをリリースし、これまでに出した中国語アルバムは14枚、英語アルバムは4枚に上る。ディズニー映画『ムーラン』の中国語版の主人公の声や主題歌を担当したほか、周潤発(チョウ・ユンファ)主演の映画『グリーン・デスティニー』の主題歌が米アカデミー賞の歌曲賞にノミネートされるなど活躍した。私生活では、実業家のBruce Rockowitz氏と8年の交際期間を経て2011年に結婚。当時オープン間もない展望タワー「SKY100」の地上100階にある展望デッキをワンフロア貸し切るなど豪華な挙式が話題を呼んだ。李さんの逝去後、香港の新聞に訃報広告が掲載され、Rockowitz氏と李さんの2人の姉が連名で故人を偲ぶメッセージを寄せた。

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