イメージは「しんどそう」だけど…将来の夢を「先生」にしてね 兵庫県教委が高校に職員派遣、やりがい語る

生徒に教員の仕事のやりがいなどを伝える県教委職員=三木市志染町青山6

 教員の深刻な不足に対応するため、兵庫県教育委員会は将来的な志望者増を狙い、県立高校の進路ガイダンスに職員派遣を始めた。現場経験のある担当者らが教員の魅力を発信し「将来の仕事の候補に先生を」などと呼びかけている。

 県教委によると、神戸市を除く県内公立学校では、5月1日時点で短時間勤務の非常勤講師を常勤に換算して164人の教員が不足。採用試験の応募者数も減少し、2024年度採用の応募倍率は、少なくとも1987年度採用分以降で最低の4.7倍だった。

 県教委は、高校生に大学での教職課程履修や教育系大学への進学を視野に入れてもらおうと、23年度から進路ガイダンスに教職員人事課の職員を派遣。6月の尼崎稲園高校(尼崎市)を皮切りに、秋ごろまでに40校程度で予定する。

 7日、三木北高校(三木市)では生徒18人が参加。職員が冒頭、教員の仕事のイメージを問うと「しんどそう」といった否定的な反応が相次いだが、ガイダンスになぜ参加したのかという質問には「憧れがある」などの声も上がった。

 職員は、教員生活で感じたやりがいなどを語った上で「好きなこと、得意なことを職業につなげて。人が好きで『この教科を教えたい』と思うなら、ぜひ学校の先生として活躍してほしい」と力を込めた。

 1年の女子生徒(15)は「先生の仕事はしんどいイメージが強かったけど、楽しいと思っている人たちの話を聞いて、中学の体育教諭になってみたいという気持ちが湧いた」と話した。(大橋凜太郎)

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