JA広島中央会「合併で1つのJA目指したい」 新会長が会見

広島県内のJAグループを束ねるJA広島中央会の新会長は、道半ばの地域JAの合併について、「方向性としてこれまで通り、県域合併で1つのJAを目指したい」と話しました。

JA広島中央会は、先月末の通常総会で役員を一新、新しい会長にJA広島市の 吉川清二 組合長(69)が就任しました。

JA広島中央会 吉川清二 新会長
「常に農家・組合員に寄り添い、何ができるか何をすべきか考えながら、JAのリーダーとして重責を果たしてまいります」

― 合併について?
「合併の必要性はあると思います。方向性としては今まで取り組んできた県域合併(1JA)の方向性で取り組んで行きたい」

注目が、道半ばの合併問題への対応です。中央会は、県内に13あった地域JAを1つにまとめる合併を進めて来ました。このうち9JAは、4月、先行合併しました。

しかし、4JAは協議の途中で離脱しました。実は、新会長が所属するJA広島市も離脱組です。いったい、どんな協議だったのか? まとめ役が今回、会長を退任した 忠末宜伸 さんです。

JA広島中央会 忠末宜伸 前会長
「あんまり強引に突っ走ってしまうと、やっぱり、JA合併そのものが空中分解してしまうかなという危機感は常に持っていましたね」

合併の目的は、財務基盤の強化です。

離脱した4JAのうち3つは貯金残高の県内トップ3。もう1つはブランドみかんの産地。「合併を急ぐ必要はない」というのが離脱の理由です。それでも協議を進めた理由はこうでした。

JA広島中央会 忠末宜伸 前会長
「このままバラバラに行くと、JAによっては財務基盤がかなり厳しいところもある。そうすると、くしの歯が折れるような形でね、ボロボロ破たんしていくと。これだけは避けたい」

7日の会見で吉川新会長は、▽JA広島市が離脱したのは組織の再編を進めていたためで、合併そのものに反対していたわけではない、▽協議再開の時期については9JAの合併で誕生した「JAひろしま」の状況を見ながら、離脱した4JAも含めた5つのJA全部で判断したいと語りました。

JA広島中央会 吉川清二 新会長
「新たにできた『JAひろしま』の状況を把握しながら、しばらく間を置いて、離脱しているJAにも働きかけて、5JAの立場で進めていきたいと思う」

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