地元凱旋のフェラーリがFP1で一番時計。0.003秒差でJOTAのポルシェが続く/WECモンツァ

 7月7日、イタリアのモンツァ・サーキットでWEC世界耐久選手権第5戦『モンツァ6時間レース』が開幕。走行初日となった現地金曜日の11時30分より90分間のフリープラクティス1回目が行われ、前戦のル・マン24時間を制したフェラーリAFコルセの51号車フェラーリ499P(アレッサンドロ・ピエール・グイディ/ジェームス・カラド/アントニオ・ジョビナッツィ組)がトップタイムをマークした。

“敵地”でル・マンの雪辱を果たしたいTOYOTA GAZOO Racingは、小林可夢偉組7号車トヨタGR010ハイブリッドが総合4番手、姉妹車の平川亮組8号車トヨタGR010ハイブリッドは同6番手につけている。

 晴天に恵まれたイタリア北部のモンツァで、レースウイーク初日の走行が始まった。気温26.3℃、路面温度40.7℃のドライコンディションでスタートを迎えたFP1では、ピエール・グイディが1分37秒533という全体ベストタイムを刻んだ。

 約1時間30分にわたって行われた同セッションの後半にファステストラップを記録したル・マンウイナーの後方には、わずか1000分の8秒差でプライベーターの38号車ポルシェ963(ハーツ・チーム・JOTA)が続き、トップからコンマ3秒弱遅れた3番手にファクトリーチームが走らせる5号車ポルシェ963(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ)がつけた。

 5号車をドライブしたミカエル・クリステンセンは、セッション序盤にターン1でクルマをストップさせ早々にフルコースイエロー(FCY)を出したが、その後ポルシェのハイパーカーコースに復帰し合計38周をラップしている。

 総合4番手となった7号車トヨタは、マイク・コンウェイのドライブで1分37秒841をマーク。708号車グリッケンハウス007(グリッケンハウス・レーシング)とブレンドン・ハートレーの自己ベストで6番手に入った8号車トヨタを上回った。7番手は50号車フェラーリ499P(フェラーリAFコルセ)で、ここからは1分38秒台に。

 以下、6号車ポルシェ963(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ)、2号車キャデラックVシリーズ.R(キャデラック・レーシング)、94号車と93号車のプジョー9X8(プジョー・トタルエナジーズ)と続き、4号車ヴァンウォール・バンダーベル680と今戦がデビューレースとなる99号車ポルシェ963(プロトン・コンペティション)が1分39秒台のタイムでクラス下位を占める結果となった。

 LMP2クラスではチームWRTがワン・ツーとなり、ロバート・クビサ駆る41号車オレカ07・ギブソン(ルイ・アンドラーデ/クビサ/ルイ・デレトラズ組)が1分40秒356を記録し、姉妹車を0.205秒上回ってみせた。3番手はインターユーロポル・コンペティションの34号車オレカ07だ。

 AFコルセの54号車フェラーリ488 GTEエボ(トマ・フロー/フランチェスコ・カステラッチ/ダビデ・リゴン組)は1分47秒538でLMGTEアマクラスのトップに立った。クラス首位となったフェラーリの後方には4台のポルシェ911 RSR-19が並び、その中の最上位は1分47秒645をマークしたアイアン・リンクスの60号車だった。

 木村武史とケイ・コッツォリーノが乗り込んだ57号車フェラーリ488 GTEエボ(ケッセル・レーシング)は、そのポルシェ勢の直後に位置する6番手で、トップからは0.790秒おくれた。星野敏と藤井誠暢の777号車アストンマーティン・バンテージAMR(Dステーション・レーシング)は1分49秒498というタイムで12台中12番手となっている。

 前述のマシンストップに加え、レズモでのデブリ回収のため計2回のFCYが入った今週末最初のセッションは、同じくレズモで発生した56号車ポルシェ911 RSR-19(プロジェクト1・AO)のアクシデントと、レースコントロールにおいてソフトウェアに問題が生じたため残り3分のところで赤旗終了となった。

41号車オレカ07・ギブソン(チームWRT) 2023年WEC第5戦モンツァ6時間レース
54号車フェラーリ488 GTEエボ(AFコルセ) 2023年WEC第5戦モンツァ6時間レース

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