アルピーヌ育成マルタンスが2戦連続のPP獲得。岩佐歩夢は3番手【FIA F2第9戦シルバーストン 予選】

 7月7日、2023年FIA F2第9戦シルバーストンの公式予選がイギリスのシルバーストンサーキットで開催され、ビクトール・マルタンス(ARTグランプリ/アルピーヌ育成)が最速タイムを記録し、フィーチャーレース(決勝レース2)のポールポジションを獲得した。ドライバーズランキング3位につけるホンダ&レッドブル育成の岩佐歩夢(ダムス)は予選3番手となった。

 今季8戦目となる今大会、フリー走行に引き続きシルバーストンは好天に恵まれ気温25.7度、路面温度41.8度となるなか、30分間の公式予選は当初の予定から5分遅れとなる現地時間15時10分(日本時間23時10分)より開始された。

 今大会のタイヤコンパウンドは、プライムタイヤがハード(ホワイト)、オプションタイヤがソフト(レッド)となる。なお、FIA F2におけるシルバーストンのラップレコードは2019年に周冠宇がマークした1分38秒182、昨年のポールタイムはローガン・サージェントがマークした1分38秒432だ。

 約5分間のウォームアップを経て、まずは岩佐が最初のアタックで1分41秒100を記録し暫定首位に浮上。さらにチームメイトのアーサー・ルクレール(ダムス)が1分41秒100と、ダムス勢は同タイムをマークする。

 ただ、その直後にマルタンスが1分40秒576でトップに浮上。さらにリチャード・フェルシュフォー(ファン・アメルスフォールト・レーシング)、テオ・プルシェール(ARTグランプリ/ザウバー育成)らも1分40秒台をマークする。

 この時点で8番手となった岩佐は2度目のアタックでセクター1自己ベスト、セクター2では全体ベストを更新しセクター3に入った。しかし、その直後にセッションは19分43秒を残し赤旗が掲示される。ターン9立ち上がりでアムーリ・コルデール(インビクタ・ビルトゥジ・レーシング)が激しいクラッシュを喫したためだ。コルデールはマシンを降り、自力でドクターカーに搭乗しコースを離れた。

 マシンの回収、バリヤの修復や清掃に伴い、セッション中断は11分に及んだが、現地時間15時32分(日本時間23時32分)に再開を迎えた。各車続々とコースインするが、岩佐とルクレールはアタック入りせず、1周走行のちピットに戻る。

 その直後、セッション再開からまだ誰もタイムを更新できていなかった中、予選は残り11分22秒で2度目の赤旗中断を迎えた。理由は、この赤旗掲示直前にセッション終了時間が現地時間15時47分と発表されたこともあり、時間調整とも考えられる。各車がピットに戻り、そこから間も無く現地時間15時38分(日本時間23時38分)に残り時間9分となる中セッションは再開を迎えた。

 残り時間わずかとなり、コース上は渋滞。そんななか早めにコースインした岩佐は前後との間合いを確保し、残り4分50秒を切ってからアタック入り。ただセクター2でわずかに出遅れ記録は1分40秒032となる。その直後、マルタンスが1分39秒832でトップに浮上。

 さらにジャック・ドゥーハン(インビクタ・ビルトゥジ・レーシング)、プルシェール、オリバー・ベアマン(プレマ・レーシング)、クッシュ・マイニ(カンポス・レーシング)らもタイムアップし、岩佐は8番手に後退する。

 各車アタックを終え、ピットに戻りつつあるなか、岩佐は最後のアタックに臨んだ。セクター1&3は自己ベスト更新ならずも、セクター2で全体ベストを更新。1分39秒952で3番手に浮上しチェッカー。

 そのままセッションは終了を迎え、マルタンスが2戦連続、自身3度目となるポールポジションを獲得。2番手にマイニ、3番手に岩佐、4番手ドゥーハン、5番手ベアマンという予選結果となった。

 スプリントレース(決勝レース1)のスターティンググリッドは予選トップ10がリバースグリッドで決定され、予選で10番手タイムを記録した、ランキングトップのフレデリック・ベスティ(プレマ・レーシング)がポールシッターとなった。

 2023年FIA F2第9戦シルバーストンの決勝レース1は、7月8日(土)現地時間13時15分(日本時間21時15分)より行われる予定だ。

ビクトール・マルタンス(ARTグランプリ/アルピーヌ育成)

■2023年FIA F2第9戦シルバーストン 予選正式結果

Pos. No. Driver Team Time

1 6 V.マルタンス ARTグランプリ 1’39.832

2 24 K.マイニ カンポス・レーシング 1’39.945

3 11 岩佐歩夢 ダムス 1’39.952

4 14 J.ドゥーハン インビクタ・ビルトゥジ・レーシング 1’39.957

5 8 O.ベアマン プレマ・レーシング 1’39.989

6 4 E.フィッティパルディ ロダン・カーリン 1’39.991

7 3 Z.マロニー ロダン・カーリン 1’40.001

8 5 T.プルシェール ARTグランプリ 1’40.019

9 10 I.ハジャル ハイテック・パルスエイト 1’40.026

10 7 F.ベスティ プレマ・レーシング 1’40.052

11 16 R.ニッサニー PHMレーシング・バイ・チャロウズ 1’40.135

12 12 A.ルクレール ダムス 1’40.198

13 2 J.ダルバラ MPモータースポーツ 1’40.314

14 1 D.ハウガー MPモータースポーツ 1’40.368

15 9 J.クロフォード ハイテック・パルスエイト 1’40.400

16 20 R.スタネ トライデント 1’40.526

17 22 R.フェルシュフォー ファン・アメルスフォールト・レーシング 1’40.561

18 25 R.ボシュング カンポス・レーシング 1’40.815

19 17 B.ベナビデス PHMレーシング・バイ・チャロウズ 1’40.950

20 21 C.ノバラック トライデント 1’41.106

21 15 A.コルデール インビクタ・ビルトゥジ・レーシング 1’41.457

22 23 J.コレア ファン・アメルスフォールト・レーシング 1’42.084

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