今夏デクラン・ライスがアーセナルに移籍すると伝えられており、移籍金は1億ユーロを遥かに超えるものになると伝えられている。
近年サッカー選手の移籍金は高騰を続けており、1億ユーロという大台を見ることも珍しくはなくなっているのだが…。
今回は「1億ユーロの移籍金で取引されながらも大失敗してしまった6名の選手」をご紹介する。
エデン・アザール
移籍元:チェルシー
移籍先:レアル・マドリー
移籍金:1億ユーロ(およそ157.75億円)
2019年、クリスティアーノ・ロナウドの穴を埋められるタレントを探していたレアル・マドリーは、チェルシーからベルギー代表MFのエデン・アザールを獲得することを決めた。契約がもう残り1年であったにもかかわらず、1億ユーロもの移籍金を支払ってである。
一見ほぼ失敗の可能性がない補強にも見えたものの、コンディション不良のためにチェルシー時代のような輝きを完全に失ってしまったエデン・アザールは、ピッチに出ても活躍できないばかりか、怪我で半分以上の試合を欠場することになった。
それから4年が経過したものの、この1億ユーロと巨大な給与には全く価値がなかったといえる。4シーズンで76試合に出場し、たった7ゴールしか決められなかった。
ポール・ポグバ
移籍元:ユヴェントス
移籍先:マンチェスター・ユナイテッド
移籍金:1億500万ユーロ(およそ165.64億円)
かつてマンチェスター・ユナイテッドの下部組織からフリーでユヴェントスに移籍したポール・ポグバ。イングランドでチャンスが与えられなかった10代の天才は、イタリア・セリエAですぐさま世界最高クラスのセントラルMFとして台頭した。
そして2016年、マンチェスター・ユナイテッドは彼を買い戻すために当時世界最高額だった1億500万ユーロを投じた。イングランドもクラブも熟知している彼を獲得するのは成功の可能性が高いギャンブルだったが…。
ただそれからの5年間、ポグバは一貫性のないプレーが目立ち、クラブもその間タイトルに全く縁がなかった。しかもフランス代表でのポグバは優秀なパフォーマンスを見せていたため、なおさら批判は強くなってしまった。
ロメル・ルカク
移籍元:インテル
移籍先:チェルシー
移籍金:1億1500万ユーロ(およそ181.41億円)
元々アンデルレヒトからチェルシーに引き抜かれた経験を持つロメル・ルカク。それからエヴァ―トンでブレイクし、マンチェスター・ユナイテッドに引き抜かれるも失敗。インテルへと移籍したことがきっかけとなって復活を見せ、アントニオ・コンテ監督が率いたチームを10年ぶりのスクデットに導いた。
そんな彼に再び賭けることにしたチェルシーは、なんと1億1500万ユーロという移籍金を投じて獲得した。ところがルカクはやはりプレミアリーグに馴染むことはできず、わずか8ゴールという結果で期待を裏切ったほか、ピッチ外でもインタビューで「インテルに戻りたい」と公言。ファンを怒らせた。
そして2022-23シーズンはインテルに貸し出されることになったが、買取オプションが付随していなかったために今夏チェルシーへ復帰。宙ぶらりんな状態に…。
アントワーヌ・グリーズマン
移籍元:アトレティコ・マドリー
移籍先:バルセロナ
移籍金:1億2000万ユーロ(およそ189.3億円)
彼の物語は長かった。バルセロナが彼に興味を持っていると伝えられたとき、彼はアトレティコ・マドリーに残ることを表明するためにSNSでエモーショナルな動画を公開。そうしてファンを喜ばせた1年後、結局バルセロナに移籍した。
その際には1億2000万ユーロもの移籍金が支払われたが、バルセロナの独特なスタイルに彼はそれほど適合せず、102試合で35ゴールとレギュラーのストライカーとしては平凡な成績となってしまった。
彼を獲得した2021年はバルセロナが財政的にかなり難しい状況であっただけに、クラブとしてはかなり痛い失敗であったといえる。
ジョアン・フェリックス
移籍元:ベンフィカ
移籍先:アトレティコ・マドリー
移籍金:1億2600万ユーロ(およそ198.77億円)
ベンフィカでトップチームにデビューするやいなや大活躍を見せ、世界最高クラスの若手アタッカーだと評価されたジョアン・フェリックス。実働1年に満たない状況でアトレティコ・マドリーへと引き抜かれた。
その移籍金は当時10代の選手としては最高額となる1億2600万ユーロ。ディエゴ・シメオネ監督のディフェンシブなスタイルに合わないのではないかと言われながらの大型補強であったが、残念ながらその予想は的中した。
スペインに移籍してからの彼はポルトガル時代のような試合を変えられる選手ではなくなり、昨季の後半戦ではチェルシーにローン移籍することに。アトレティコとの契約は2027年まで残っているが、そのキャリアも宙ぶらりんになっている。
フィリペ・コウチーニョ
移籍元:リヴァプール
移籍先:バルセロナ
移籍金:1億6000万ユーロ(およそ252.4億円)
2018年にフィリペ・コウチーニョがバルセロナに移籍したとき、間違いなく取引の勝者はリヴァプールであった。彼らはそのお金でフィルヒル・ファン・ダイクとアリソンを補強し、プレミアリーグとチャンピオンズリーグを制覇する礎を築いたからだ。
一方、ネイマールの売却益を投資したバルセロナはこれに成功しなかった。アンドレス・イニエスタの後釜としてもコウチーニョは中途半端で、プレーするたびにファンから批判を受けてしまった。
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しかも2019-20シーズンにバイエルンへ貸し出されたときにはチャンピオンズリーグでバルセロナを相手に2ゴールを叩き込み、8-2の夢スコアに貢献。保有元をまさかの敗退に追い込んだのである。