小林可夢偉の7号車がFP2最速。トヨタ1-3、フェラーリ499Pが間に食い込む/WEC第5戦モンツァ

 WEC世界耐久選手権第5戦モンツァ6時間レースのフリープラクティス2回目が、同1回目に続き7月7日(金)にイタリアのモンツァ・サーキットで行われ、小林可夢偉のドライブで1分36秒363をマークしたTOYOTA GAZOO Racingの7号車トヨタGR010ハイブリッド(マイク・コンウェイ/可夢偉/ホセ-マリア・ロペス組)がセッション首位となった。姉妹車の平川亮組8号車は3番手、2台のトヨタの間には50号車フェラーリ499P(フェラーリAFコルセ)が食い込んでいる。

 走行初日2度目のプラクティスは16時40分からの90分。路面はドライ、気温30℃、路面温度46℃というコンディションで幕を開けた。セッション開始早々、トヨタの2台がFP1のトップタイムを上回り1分36秒台に突入する。

 7号車は可夢偉が1分36秒614というタイムを記録して暫定首位に。ブレンドン・ハートレー駆る8号車トヨタGR010ハイブリッドも1分36秒686をマークし2番手につけた。これに続いたのはアレックス・リンが乗り込んだ2号車キャデラックVシリーズ.R(キャデラック・レーシング)で、同じく序盤に1分36秒748を記録している。

 可夢偉は一度ピットに戻った後、ふたたびコースに戻り1分36秒363までタイムを縮めることに成功する。一方、8号車と2号車はその後自己ベストを更新せず。その間に50号車フェラーリがニクラス・ニールセンのあとを受けたアントニオ・フォコのドライブで1分36秒533を記録。トヨタ勢の間に割り込むこととなった。

 トップ5の最後のスロットを確保したのは、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツの5号車ポルシェ963だ。3スティント計27周にわたって同車のステアリングを握ったフレデリック・マコウィッキが1分36秒991というタイムをマークした。6番手以降の99号車ポルシェ963(プロトン・コンペティション)からFP1首位の51号車フェラーリ499P(フェラーリAFコルセ)、93号車プジョー9X8(プジョー・トタルエナジーズ)、38号車ポルシェ963(ハーツ・チーム・JOTA)、トップ10最後の94号車プジョー9X8(プジョー・トタルエナジーズ)までが1分37秒台。残る3台は1分38秒以下のタイムとなっている。

 LMP2クラスではFP1に続きチームWRTの41号車オレカ07(ルイ・アンドラーデ/ロバート・クビサ/ルイ・デレトラズ組)が最速。タイムはハイパーカークラス13番手となった4号車ヴァンウォール・バンダーベル680(フロイド・ヴァンウォール・レーシング)を上回る1分39秒955だ。

 このカテゴリーのトップ3の顔ぶれは昼のセッションと変わらずも、このFP2では34号車オレカ07(インターユーロポル・コンペティション)が0.181秒差のクラス2番手に食い込み、チームWRTの連続ワン・ツーを阻止した。31号車オレカ07は1分40秒162でクラス3番手となっている。

 LMGTEアマクラスはポルシェ911 RSR-19勢がワン・ツー・スリーを独占する結果に。その中でトップに立ったアイアン・リンクスの60号車911 RSR-19(クラウディオ・スキアボーニ/マッテオ・クレッソーニ/アレッシオ・ピカリエッロ組)のみ1分47秒を切り、1分46秒973を刻んでいる。クラス2番手はGRレーシングの86号車ポルシェ。同3番手は今戦に限り全面レッドのカラーリングとなっているプロジェクト1・AOの56号車だ。

 木村武史とケイ・コッツォリーノが乗り込む57号車フェラーリ488 GTEエボ(ケッセル・レーシング)は1分47秒972でクラス7番手。星野敏と藤井誠暢の777号車アストンマーティン・バンテージAMRはBoP(バランス・オブ・パフォーマンス=性能調整)の面で厳しいのか、もう一台のアストンマーティンであるORT・バイ・TFの25号車とともに、2度のセッションで揃って最後尾に沈む結果となっている。

アイアン・リンクスの60号車ポルシェ911 RSR-19 2023年WEC第5戦モンツァ6時間レース

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