7日午後1時10分ごろ、奈良市五条町の唐招提寺金堂(国宝)の南西端の木造の柱に、観光で訪れたカナダ国籍の少年(17)が爪で文字を書いているところを県外に住む観光客の男性(39)が発見した。男性は寺の職員を通じて近くの交番に届け出た。少年は「私がやりました」と認めているという。
奈良署によると、爪で書かれた文字は「J」と「Julian」で、地面から約170センチの高さに、白っぽい色で記されているという。少年は両親と共に寺に訪れていた。
同署は、文化財保護法違反の疑いで捜査している。
唐招提寺の担当者は「海外からの参拝者が今後も増えると思うので同様の事件が起きなければよいが」と心配していた。
また、県文化財保存課は「修理について文化庁と協議して対応を検討したい」としている。