奈良・吉野山の金峯山寺蔵王堂で伝統行事「蛙飛び」 いざ法力! 沸く山内

舞台を跳ねて僧侶の法力にあやかる青蛙=7日、吉野町吉野山の蔵王堂

 修験道の開祖、役行者の威徳をしのび、吉野町吉野山の金峯山寺蔵王堂(五條良知管長)で7日、蓮華会(れんげえ)法要と伝統行事「蛙飛び」(県指定無形民俗文化財)が営まれ、山伏の験力比べにちなんだ行事や威勢の良い太鼓台の巡行で山内が沸いた。

 本尊・蔵王権現にハスの花を供える法要の後、境内の舞台に青蛙(かえる)が登場。神仏につばを吐いた男が大峯の断崖絶壁に取り残されたが、修験道の高僧があわれみ、蛙に姿を変えて助けたという故事が残る。行事では山伏たちの法力で人間に戻るシーンが演じられた。

 境内いっぱいの参拝者が楽しみ、日本の大学で民俗学を研究したこともあるというニュージーランドの小学校教員ウェブ・シューラーさん(43)は「物語があってとても面白いですね。日本の歴史は深く、ユニークな文化を形成していて興味深い。神秘的なところが魅力」と話していた。

© 株式会社奈良新聞社