福祉における移動の課題に富山県の新川地域全体で取り組む「クロスモビリティプロジェクト」の開始イベントが7日、黒部市国際文化センター・コラーレで開かれた。デイサービス施設の送迎をデジタル化して職員の負担を減らし、人材不足解消を目指す。
クロスモビリティプロジェクトは、黒部市社会福祉協議会が設けた「SMARTふくしラボ」がトヨタ・モビリティ基金などの助成を受けて実施。新川地域の3市2町や社福協、企業などが協力する。
ふくしラボによると、デイサービス業務時間の3割が送迎や送迎シフト作成で占められている。送迎のデジタルトランスフォーメーション(DX)化へ実証実験を行い、業務効率アップにつなげたい考え。
実験では、各施設がアプリ「福祉Mover」を導入する。送迎スケジュールをパソコンで作成し、最適ルートや注意事項を運転担当者のスマートフォンに送信。運転者は土地勘がなくても送迎できるという。2023年度は9施設が実験に参加。参加施設は最大20まで増やす。24年度からの本格導入を目指す。
プロジェクトではこのほか、高齢者の外出を促し介護予防につなげるプログラム「Goトレ」を黒部市と協力して試行する。
イベントでは、送迎デジタル化の参加施設を代表し、越之湖デイサービスセンター(同市)の山本真也施設長が「プロジェクトに本当に期待している。介護業務により多くの時間を割けるようになるといい」とあいさつした。