夏の甲子園県予選特集 注目選手のライバルを紹介(3)【大分県】

第105回全国高校野球選手権の県予選が8日に幕を開ける。3年生にとって集大成となる大一番だ。優勝争いとともにハイレベルな選手個人にも注目が集まる。その有力候補といえる選手たちをピックアップし、彼らが対戦したい選手を聞いた。

ピッチャー兼ファースト 渡辺蒼汰(大分舞鶴3年)

2005年11月2日生まれ、168cm、73kg、右投右打、久住中学校出身(前所属は大分七瀬ボーイズ)

高校入学を機に投手から野手に転向したが、新チームになってから投手に復帰した。昨年の秋はエースナンバーを背負うこともあったが、今大会は背番号3。「これくらいがプレッシャーが掛からなくていい」と笑うが、マウンドに立てば130㌔台の直球と低めを突く変化球で打たせて取る。先発で登板した後は一塁手として守備につき、ピンチになれば再登板して試合をつくる。「夏の大会はチーム力で勝つ」と先発、中継ぎ、抑え、そして野手としてチームの勝利のために与えられた役割を全うするつもりだ。

気になる選手

羽田野颯未(大分商業3年)

中学の頃のチームメート。高校になってさらに体が大きくなり、飛距離が伸びた印象がある。他にも藤蔭や大分西にも大分七瀬ボーイズで一緒にプレーした選手はいるが、元チームメートだからこそ負けたくない。高校で成長した姿を見せたい。対戦したら真っすぐで空振り三振を取りたい。

レフト 染矢優人(津久見3年)

2006年2月22日生まれ、174cm、70kg、右投左打、大東中学校出身(前所属は大分明野ボーイズ)

「津久見の攻撃は染矢から始まる」(藤丸崇監督)。思い切りの良いバッティングと積極的な走塁で核弾頭としての役割を担う。中学3年のときに夏の特別大会で津久見が優勝した姿を見て、「このチームで甲子園に行きたい」と強く思い、入学を決意した。甲子園出場のラストチャンスとなる今大会に懸ける思いは、誰よりも強い。「まずは自分が塁に出てチームに勢いを与える。勝ち続けるイメージしかない」と、染矢の強いメンタリティーがチーム内に浸透している。

気になる選手

松石信八(藤蔭3年)

対戦したことはないが、1年生のときからマウンドに立っている。スピード、変化球全てが一級品。すごいピッチャーだからこそ打ちがいがある。初球からセンター前にクリーンヒットを打って、次の打席から精神的優位に立ち、攻略したい。

サード 豊田顕(大分商業3年)

2005年6月23日生まれ、172cm、65kg、右投左打、王子中学校出身(前所属は湯布院ボーイズ)

俊足好打の2番打者は、コンパクトな振りでセンター中心への打球を徹底したことで結果を残した。センバツ甲子園では4打数2安打1打点と活躍し、続く九州大会では打率6割超えを記録した。中学の頃から1、2番を組む渡辺公人(3年)とは「阿吽(あうん)の呼吸」でチャンスを広げて、打線をけん引する。最後の大会に向けて気持ちの高ぶりを感じているが、「自分のできることをするだけ」と気負いはなく、平常心で臨む。

気になる選手

松石信八(藤蔭3年)と森山塁(明豊3年)

練習試合などで対戦したことはあるが、ほとんど打てなかった印象。どちらも速球派なので対戦したらミートすることを意識したい。ファウルで粘ったり、塁に出れば走塁でプレッシャーをかけたりして、最後はチームが勝てばいい。そのための仕事をしたい。

(柚野真也)

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