犬殺処分2年連続ゼロ 22年茨城県内 収容拡大、2300頭超

県動物愛護推進員が2017年に制作した動物愛護を訴えるポスター

茨城県や水戸市が2022年度に殺処分した犬はなく、2年連続で頭数ゼロを達成したことが7日、分かった。猫は2頭で、収容時に重傷だったため安楽死処分にした。収容された犬猫の頭数は計2300頭を超えており、県は「ゼロを継続するには、収容頭数自体を削減していく必要がある」とする。同日開かれた県動物愛護推進協議会で、県が報告した。

収容頭数はやや拡大し、犬が前年度比61頭増の1155頭、猫が同27頭増の1188頭。譲渡が行われたのは、犬959頭、猫935頭だった。

県内では、県動物指導センター(笠間市)と水戸市動物愛護センターが犬猫を保護・収容し、飼い主への返還やボランティア団体への譲渡に注力している。

近年、殺処分されたのは、いずれも攻撃性や健康状態などにより「譲渡適性が低い」と判断された犬猫。19年度は150頭だったが、20年度に23頭、21年度に1頭と減り、22年度も市動物愛護センターでの猫の安楽死2頭にとどまった。

県生活衛生課によると、ドッグトレーナーによるしつけ・再教育、ボランティア団体による引き取りなどで少数を維持できているものの、「譲渡には限界がある」(同課)ため、今後は収容頭数の削減が課題という。

県は16年度に「犬猫殺処分ゼロを目指す条例」を制定。条例に基づき、飼育に関する啓発、市町村の福祉部門と連携した多頭飼育崩壊の防止などに取り組む。

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