江戸時代に京都で活躍した絵師、伊藤若冲(1716~1800年)の花鳥画を西陣織にした「西陣美術織 若冲動植綵絵(どうしょくさいえ)展」が9日まで、茨城県土浦市大和町の市民ギャラリーで開かれている。鳥や植物が色鮮やかに描かれた若冲の「動植綵絵」30図が、京都伝統の織物で生き生きと表現されている。入場無料。
同展は西陣織誕生550年記念として、同実行委(京都市)が主催し、全国を巡回している。今回は、若冲に関連する掛け軸など約50点のほか、横山大観の絵を再現した作品も含め計約70点が展示されている。
極めて細い糸を使う「綴織(つづれおり)」と呼ばれる技法で機械織りされ、縦70センチ、横35センチの作品は縦糸約2700本、横糸約1万5千本が使われている。点描のような細かな織りをルーペでも確認できる。
製作した西陣美術織工房の広報担当、吉村昌人さんは「高度な技術と絵の豪華さの両方を楽しんでほしい」と話した。