都市ごみから廃プラスチックまで処理可能! 産廃処理の新施設、深谷に建設 排熱活用の発電、売電も

「レガリア」の完成予想図

 廃棄物リサイクル会社「シタラ興産」(埼玉県深谷市折之口)は同市上野台に建設する一般・産業廃棄物処理の新施設「レガリア」の建設工事に関わる調印式を行った。施工は関東建設工業(本社・群馬県太田市)が、プラント部分を荏原製作所の子会社・荏原環境プラント(東京都)がそれぞれ担当する。

 建物は鉄骨造7階建て、延べ床面積5787平方メートル、敷地面積7166平方メートル。来年5月に着工し2026年完成予定で27年初旬の操業開始を目指す。総工費は90億円超の見込み。

 プラントは荏原製作所の独自技術「TIF流動床焼却炉」を導入し設備運転や管理を同社に委託、それ以外の全業務をシタラ興産で担う。最大の特長は独自の内部旋回機能で、旋回の効果によりごみと汚泥などが撹拌(かくはん)され、高い混焼比率で処理が可能となる。高温の流動砂の熱量を利用することで処理物を素早く燃焼し、都市ごみのほか廃液・スラッジ(汚泥)などの低カロリー廃棄物から、廃プラスチックなどの高カロリー廃棄物まで幅広く対応する。

 産業廃棄物を燃やす際に発生する焼却炉を利用したサーマルリサイクル発電にも参入予定で排熱を活用して発電を行い、施設内で使用の電力を賄う。余剰電力は新電力事業社を介して深谷市周辺地域にも売電し電力の地産地消にも貢献していく。

 調印式で関東建設工業の高橋明社長は「工期内に無事完成させ十二分に活用してもらいたい」と期待を寄せた。シタラ興産の設楽竜也社長は「関係者の皆さまからご支援をいただきながら今回の契約に至り、またひとつプロジェクトが大きく前進した。3年後の完成に向けて身が引き締まる思い」と述べた。

調印書を手にする設楽社長(右)と高橋社長=6月30日、群馬県太田市の関東建設工業本社

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