宇都宮空襲から78年… 「うつのみやの戦災展」で当時の記憶を後世に伝える

 宇都宮市街地の約6割が焼失し、620人以上が犠牲となった「宇都宮空襲」から、今年(2023年)で78年です。当時の戦争の記憶を後世に伝える企画展が7日、宇都宮市内で始まりました。

 「うつのみやの戦災展」は1945年、昭和20年7月12日の深夜に、宇都宮を襲ったアメリカ軍の空襲について戦争の悲惨さを多くの人に知ってもらい、平和について考えてもらおうと、毎年開かれています。

 宇都宮市出身の海軍の河原塚國守飛行兵曹長の遺書の写しです。河原塚兵曹長は旧制宇都宮中学・現宇都宮高校の野球部員でしたが、戦争で野球をあきらめ甲種飛行予科練習生・いわゆる予科練に入隊し、1942年にニューギニアのポートモレスビーでの戦闘中に戦死しました。

 遺書は戦地に赴く前に書かれたと思われ、戦後、広島原爆資料館に展示されていましたが、遺族のもとに返還され今回初めて展示されました。

 また、大阪市出身で宇都宮陸軍飛行学校金丸原教育隊で訓練を受けた一楽節雄陸軍少尉の日誌や、訓練をメモした操縦手簿なども同時に展示しています。

 戦災展では、宇都宮市の戦災記録保存事業で収集した資料や写真など約30点を展示。空襲の際に焼夷弾の直撃を受けて亡くなった少女が背負っていたリュックサックも展示しています。

 うつのみやの戦災展は8月31日まで、宇都宮城址公園の清明館で開かれています。

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