第105回全国高校野球長崎大会・第2日 登録選手12人の五島 エース浦が完投

【1回戦、五島-佐世保工】1失点完投した五島のエース浦=県営ビッグNスタジアム

 第105回全国高校野球選手権記念長崎大会第2日は7日、長崎市の県営ビッグNスタジアムなどで1回戦4試合が行われ、五島、壱岐商、島原、諫早農が2回戦へ進んだ。
 五島は佐世保工に2-1で競り勝った。壱岐商は春の九州地区県大会8強の長崎南に10-0の五回コールドで快勝。島原は上五島を8-1で下した。諫早農は五島海陽を8-0の七回コールドで退けた。
 第3日は8日、ビッグNなどで1回戦6試合を実施する。

◎単独出場で夏の1勝 五島・浦 1失点完投

 登録選手12人の五島が佐世保工とのロースコアの勝負を制した。今季は近隣の五島海陽との合同チームで大会に参加してきたが、4月に1年生4人を迎え、単独出場に戻ってつかんだ夏の1勝。笠原監督は「よく粘った。ただただ褒めてあげたい」と目を細めた。
 主将のエース浦が1失点で完投。選手不足のチーム事情で外野手から投手に転向して1年足らずだが、それを感じさせなかった。同じく五島で活躍した3歳上の隆紋さん、2歳上の健史郎さんの兄2人も立った夏のマウンド。「疲労を考える暇がないほどいい試合だった」と夢中になれた。チェンジアップなどを効果的に織り交ぜて打者のタイミングを外し続けた。
 3年生は浦と遊撃今村、左翼山田力の3人。大黒柱の力投に2人も正念場の守備で応えた。2-1の九回1死一塁。左翼線を深々と破られたが、素早くボールをつなぎ、間一髪で同点を阻んだ。今村は「絶対に助けたかった」と胸を張り、浦は「3年生の勝ちたい気持ちが前面に出たプレー」と感謝した。
 なおも2死三塁と続いたピンチは自ら三振に仕留めてゲームセット。「一戦必勝。必ず全員で目標のベスト8に入りたい」。真っ黒に日焼けした顔をほころばせて仲間と喜び合う様子は、逆境でも諦めずに汗を流してきた日々を物語っていた。


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