全国高校野球山形大会が開幕 左沢が8年ぶりに初戦突破

選手宣誓する南陽の田中春伍主将

 第105回全国高校野球選手権記念山形大会は7日、中山町のヤマリョースタジアム山形で開会式を行い、夏の甲子園出場を懸けた42チームの熱戦が幕を開けた。開幕試合の1回戦は左沢が5―1で高畠を下し、8年ぶりに初戦を突破した。

 左沢は初回に2番横山海斗のスクイズで先制すると、同点の三回には相手失策に乗じて勝ち越し、五回には5番川越北翔の右前適時打などで3点を追加して突き放した。

 開会式では羽黒軟式野球部の伊藤裕ノ介主将が先導役を務め、前回大会優勝の鶴岡東を先頭に入場行進した。国旗掲揚の際には山形北の村山侑雪乃(ゆきの)さんが「君が代」を独唱した。大会会長の高橋良治県高校野球連盟会長が「結果だけでなく、野球に向き合う姿勢や態度も大事にし、互いに高め合ってほしい」とあいさつし、南陽の田中春伍主将が力強く宣誓した。

 第2日の8日はヤマリョースタジアムなど4会場で1回戦8試合を行う。

南陽・田中主将「野球できる喜び、力に」

 ○…「野球ができること、仲間を応援できること、この喜びを力に変える」。選手宣誓した南陽3年の田中春伍主将(18)は新型コロナウイルスに翻弄された高校生活を振り返り、諦めないプレーで周囲への感謝を示すことを約束した。

 「一生に一度の機会。やりきる」。抽選会で大役を引き当てたときは驚き以上にうれしさが勝った。原案をつくると、渡辺大也監督(30)らにアドバイスを受けて内容をまとめた。迎えた大舞台。「不安もあったが、自然体でできた」と自身に及第点を与えた。8日に米沢中央との初戦に臨む。「粘り強く戦う」と力を込めた。

思い込め国歌伸びやかに~山形北・村山さん

 ○…開会式の国旗掲揚で、山形北3年の村山侑雪乃さん(17)が「君が代」を独唱した。堂々と大役を果たし「練習の成果は100%出せた」と表情は晴れやかだった。

 1年生の頃から夢見てきた舞台。学内選考で選ばれた時は「まさか自分が」と驚いたという。本番は「会場の熱気が伝わり緊張した」としつつも、伸びやかな歌声を響かせ「選手が存分に力を発揮してほしいという思いを込めた」とほっとした様子だった。

谷地カヌー部女子、始球式に登場

 ○…開幕試合の始球式に登場したのは谷地カヌー部の女子カヤックフォアのメンバー。3年生の阿部未侑(みひろ)(17)と長瀬ほのか(18)、2年生の鈴木紅葉(くれは)(16)の各選手がキャッチャーめがけてボールを投げ込み「緊張したけど、貴重な経験」と笑みを浮かべた。

 今夏の全国高校総体のカヌー競技は西川町の月山湖カヌースプリント競技場が熱戦の舞台となる。地元で飛躍を期す選手たちは「目指すは優勝。悔いを残さないよう集中して頑張る」と気合を入れた。

君が代を独唱する山形北の村山侑雪乃さん
始球式を行う谷地の(左から)鈴木紅葉、長瀬ほのか、阿部未侑の各選手

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