福山オリエンタルホテル ~「身土不二」地元の食材たっぷりの朝食と壺風呂で心地よい駅近ホテル

JR福山駅北口から徒歩3分。

福山城にも近い便利な立地でありながら、比較的手頃な価格で利用しやすいのが福山オリエンタルホテルです。

地元の食材をふんだんに利用した朝食と癒やしの空間の大浴場など、福山市を訪れた人に快適を提供する福山オリエンタルホテルが、2023年4月にリニューアルオープンしました。

バージョンアップした福山オリエンタルホテルを紹介しましょう。

福山オリエンタルホテルの概要

ホテルのフロント(写真提供:福山オリエンタルホテル)

広島県福山市のJR福山駅近くにある福山オリエンタルホテルの創業は、1989年です。

2012年にリニューアルし、大浴場を設けました。

そして、2023年4月に再びリニューアル。

JR福山駅北口(福山城側)から徒歩3分、コンビニエンスストアは徒歩1分の位置にあり周囲には飲食店も多い便利な立地のため、リピーターも多い福山オリエンタルホテル。

リニューアルオープン後も評価が高い地元の食材を使った朝食と壺湯がある大浴場などについて、統括マネージャーである加古一之かこ もとゆき)さんに話を聞きました。

「身土不二」に基づいた地元の食材たっぷりの朝食

バイキング形式の朝食(写真提供:福山オリエンタルホテル)

身土不二しんどふじ)とは、体と土地は切り離せないという意味をもつ言葉です。

地元の土地で季節にあわせてとれたものを食べるのが健康に良いという考え方で、福山オリエンタルホテルの朝食は、「身土不二」に基づき用意されています。

地元福山市や近郊で季節ごとにとれる新鮮な食材をふんだんに使った朝食。

地元の農家とのつながりを大切にして仕入れた食材から生み出される、体に良いメニューがそろっています。

朝食は手作りにこだわり、月替わりの惣菜が10種類

どれもスタッフが丹精込めて作ったものばかりです。

自分自身の体調や食べる量を考えて加減できるバイキング方式なので、ゆっくりと自分のペースで朝食を楽しめます。

写真提供:福山オリエンタルホテル

リニューアル前は、新型コロナウイルス感染拡大防止対策で「おかずはお膳での提供+ごはん・カレー・汁物・ドリンクはセルフ」というハーフバイキング形式での提供でしたが、リニューアルオープンにともないフルバイキング形式になりました。

10種類の惣菜(そうざい)のほかに、地元産のお米を使った炊き立てご飯に5種類のおにぎり、こだわりのお味噌汁やカレーに彩り豊かなサラダバーも。

手作りでおいしい朝食をしっかりと食べて、1日のスタートをきれる「ととのう朝食」は、レストラン「モンローズ」で味わえます。

宿泊客だけではなく、一般の人もモンローズの朝食を利用できるのもうれしいポイントです。

朝食料金は以下のとおりです。

アレルギー、ハラル、ヴィーガンなどにも対応できるよう食品表示をしているのも安心ポイント。

モンローズの朝食については、後半のインタビューで詳しく紹介しましょう。

掛け流しの壺湯でリラックス

大浴場(写真提供:福山オリエンタルホテル)

福山オリエンタルホテルの特徴は、壺湯がある大浴場「福乃湯」です。

大きな浴槽に加えて、男子大浴場には3種類、女子大浴場には2種類の壺湯があります。

壺湯の壺は、たぬきの焼き物で有名な滋賀県の信楽(しがらき)まで行って、オーダーで作ったそう。

壺湯(写真提供:福山オリエンタルホテル)

壺に福山の「」の字が!

福の字がポイントの壺湯(写真提供:福山オリエンタルホテル)

壺湯の種類は以下のとおりです。

大きな浴槽は気持ちがよく落ち着きます。

写真提供:福山オリエンタルホテル

ほかの入浴している人と少し離れて一人でゆったりとお湯を楽しみたいという人には、壺湯がおすすめですよ。

保命酒の湯は福山オリエンタルホテルオリジナル

写真提供:福山オリエンタルホテル

男子・女子大浴場ともに用意されている壺湯が、保命酒(ほうめいしゅ)の湯

福山市鞆の浦の名産である薬味酒「保命酒」は、高麗人参など16種類の薬草を原酒に漬け込み、濾過(ろか)して作ります。

お酒を作ったあとの薬草は、使い道がなくて捨てられてしまうそうです。

保命酒を製造している蔵・入江豊三郎本店から、保命酒の製造時に使った薬草をもらってきて壺湯に入れ、保命酒の湯として宿泊客に壺湯を楽しんでもらっています。

利用者からは「肌がしっとりする」「保命酒の独特の香りが癒される」「疲れがとれる」といった声が聞かれるとのこと。

毎月26日は「風呂の日」

写真提供:福山オリエンタルホテル

毎月26日は語呂合わせで「風呂の日」として、白湯の壺湯を月に1日だけかわり風呂にしています。

2023年5月は蓬(よもぎ)風呂、6月は汗ばむ夏の初めにぴったりなどくだみ風呂でした。

5月のよもぎ風呂で使ったよもぎは、福山オリエンタルホテルの社員がとってきて乾燥させたもの。

安心を提供する手作りにこだわっている福山オリエンタルホテルならではのサービスですね。

女子大浴場にはシャワーヘッド

ReFa FINE BUBBLE(写真提供:福山オリエンタルホテル)

ウルトラファインバブルが気持ちよいシャワーヘッド「ReFa FINE BUBBLE(リファ ファインバブル)」が、女子大浴場にはあります。

微細な泡で毛穴の奥の汚れを取り除くReFa FINE BUBBLEは、試してみたいシャワーです。

大浴場「福乃湯」は、深夜0時までオープンしています。

テレビなしの客室で快適に

ツインルーム(写真提供:福山オリエンタルホテル)

福山オリエンタルホテルの客室は以下の5種類です。

  • シングルルーム
  • テレビなしシングルルーム
  • セミダブルルーム
  • テレビなしセミダブルルーム
  • ツインルーム
シングルルーム(写真提供:福山オリエンタルホテル)

5種類の部屋で気になるのが「テレビなしシングルルーム」と「テレビなしセミダブルルーム」。

福山オリエンタルホテルでは、テレビなしの部屋が用意されているのです。

テレビなしシングルルーム(写真提供:福山オリエンタルホテル)

若い世代を中心にテレビを見なくなっていることから、テレビをなくしスッキリとした部屋を作ってみようと考えてのテレビなしルーム。

テレビなしのシンプルさを体験してみたくなりますよね。

福山駅近の定宿を目指す福山オリエンタルホテル

レストラン「モンローズ」(写真提供:福山オリエンタルホテル)

宿泊していただいたお客様の体調がととのい、活力が出るホテルでありたい」と加古一之統括マネージャーは話します。

また「いろいろなホテルに泊まったけど、やはり福山オリエンタルホテルが落ち着くよね」と感じてもらえるホテルを目指しているとも話してくれました。

地元の食材を使い手作りの朝食を提供するなど、持続可能なホテル運営をどこよりもいち早く実践している福山オリエンタルホテル。

リニューアルオープン後もブレない姿勢で、宿泊客のために何をすれば良いのかを常に考えながら進んでいます。

ホテルの特徴でありイチオシの朝食について、1階にあるレストラン「モンローズ」の堀礼佳ほり れいか)さんに話を聞きました。

モンローズの朝食に対するこだわりは何なのでしょうか。

地元の食材が豊富な手作り惣菜のレストラン「モンローズ」

写真提供:福山オリエンタルホテル

福山オリエンタルホテルの大きな特徴である地元食材を使ったバイキング形式の朝食について、担当の堀礼佳(ほり れいか)さんにインタビューしました。

堀礼佳さん

福山オリエンタルホテルが大事にしているレストラン「モンローズ」の朝食。

スタッフのみなさんは、どのような思いで朝食を作っているのでしょうか。

地元の食材たっぷり、手作りの朝食

手作りの惣菜とおにぎり(写真提供:福山オリエンタルホテル)

──福山オリエンタルホテル レストラン「モンローズ」の朝食はどのような特徴がありますか?

堀(敬称略)──

ほかのホテルの朝食と違う部分として自信をもって推せるのは「完全手作り」の朝食というところです。

10種類のお惣菜もそうですし、おにぎりの具やドレッシング、デザートなど、冷凍食品をいっさい使わずに厨房で作っているところが特徴であり自信をもっている部分です。

「ほかのホテルに負けていない!」そう思いながら、前の日からスタッフみんなで仕込みをしています。

──食材について教えてください。

写真提供:福山オリエンタルホテル

堀──

朝食に使っている食材は、おもに契約している農家さんや生産者さんから仕入れています。

今では(2023年6月時点)、15ほどの農家さん生産者さんとお取引ができるようになりました。

食材も通常の状態のものから、規格外(形が少し不均等などの理由で流通からはじかれるもの)の食材も買い取らせてもらい使っています。

ほかには、市場や道の駅などで新鮮な食材を仕入れます。

新鮮なものを手に入れて調理すること」を基本にして朝食を作っています。

こだわりの献立

写真提供:福山オリエンタルホテル

──10種類の惣菜の献立はどのようなものがありますか。

堀──

10種類の献立のなかに、必ずお肉とお魚を使ったものは毎月入れるようにしています。

また、お客様に食事のあとにアンケートを書いていただいているので、そのアンケートのなかで声が多かったものを定番メニューにアップさせようかなとも思っています。

たとえば、自家製の鶏ハムの声が多いので、定番候補かなと。

出汁巻き(だしまき)たまごは定番にしたいですね。

ほうれん草のおひたしがおいしかったという声も多いです。

冷凍のほうれん草を使われるところも多いのですが、私たちは冷凍ではないフレッシュなほうれん草を使っているので、おいしいとおっしゃってくださるお客様が多いのではないでしょうか。

ほうれん草のおひたしと出汁巻きたまごは、リニューアルオープン後にずっと出しているので定番になると思います。

──惣菜の献立はどのようにして決めていますか。

写真提供:福山オリエンタルホテル

堀──

農家さんや生産者さんに、旬のものは何かなどのお話を聞きながら使う食材を決めて献立作りをしています。

献立作りの担当は私なのですが、自分だけで考えるのではなく、旬な食材のおいしい料理法をスタッフのみなさんに聞いて「それ良さそう!」と感じたものを取り入れています。

ただし、新鮮なものを手に入れて調理しているので、仕入れ状況によっては月の途中で食材をすべて使い切ることがあるんですね。

そのようなときは、月の途中であっても献立を変えさせていただいています。

あとはパンもお出ししているので、和に寄りすぎない献立作りを意識しています。

献立はInstagramでもお知らせしているので、ぜひチェックしてください!

2023年7月の惣菜献立

【定番献立】

  • 出汁巻き玉子
  • 筑前煮
  • ほうれん草のお浸し
  • わかめとえのきのピリ辛ナムル
  • アスパラと高野豆腐の卵とじ
  • 焼き魚

【月替わり献立】

  • 豆腐の冷製生姜あんかけ
  • コリンキーのきんぴら
  • 夏野菜のピクルス
  • 夏野菜と鶏肉の照り焼き

──おにぎりがおいしそうですね。

人気のおにぎり(写真提供:福山オリエンタルホテル)

堀──

アンケートに「ほかのホテルでは朝食におにぎりが出たことはなかったので驚いた」と書かれたお客様もいらっしゃいました。

珍しいのかもしれませんね。

おにぎりは「塩おにぎり」をたくさん握っていて、その塩おにぎりにお客様ご自身でお好きな具材をトッピングして海苔(のり)で巻くスタイルにしています。

具材は「梅干し」「おかか」「昆布」「海苔佃煮」の4種類です。

塩おにぎりに焼き海苔を巻くだけで十分おいしいので、まずは塩おにぎりを楽しんでいただければと。

そのあとお好きな具材で。

具材の梅干しは、愛媛県産の無添加白干し梅を塩抜きしてたたいたものを使っています。

おかか、昆布は自家製のものを提供させていただいています。

インタビュー時には4種類だった具材に、2023年7月より「茶殻わさび」が追加され5種類になりました。

朝食をさらに充実したものに

写真提供:福山オリエンタルホテル

──今後チャレンジしたいことは何ですか。

堀──

空間をもっと上手に使って品数を多く出したいなあと考えています。

あと、おにぎりの出汁茶漬けなど、新しいものもどんどん出していきたいです。

2023年7月出汁茶漬け登場!

出汁茶漬けに茶殻わさびをトッピング(写真提供:福山オリエンタルホテル)

インタビューのなかで堀さんが提供したいと話していた出汁茶漬け「宗田節茶漬け」が、7月よりメニューの仲間入りに!
お茶漬けの出汁は、土佐清水の「宗田節」を使用しています。

お茶漬けにあわせて、おにぎりの具材も追加されました。
追加されたのは、茶葉の出涸らしを使い、甘辛く炊いてわさびと混ぜた「茶殻わさび」。
お茶漬けにぴったりな具材の登場ですね。

お仕事で福山に来られたかたで、新幹線の都合によって朝早くチェックアウトされるお客様がいらっしゃるんですね。

朝早いためモンローズで朝食を食べられないお客様に、ワンコインのお弁当が提供できないかなあと考えています。

また、福山オリエンタルホテルとしてイベント出店などができれば楽しいだろうし、認知度も上げられるのではないかと思っています。

私自身、リニューアルオープンにあわせて愛媛県松山市のお店から福山市に移動してきたので初めてのことばかりですが、すべて学びだなと感じています。

初めてのことは手探りでいろいろと考えないといけないのですが、今は新しいチャレンジに向けて考えること自体が楽しいですね。

心地よい空間を提供し続ける福山オリエンタルホテル

レストラン「モンローズ」(写真提供:福山オリエンタルホテル)

福山オリエンタルホテルの1階にあるレストラン「モンローズ」に入るとシックで落ち着いた空間が現れます。

適度な明るさのレストラン内に配置されたテーブルとイスの雰囲気、惣菜が置かれる中央のテーブルの間接照明の具合、自分のペースでぞんぶんに朝食を楽しめる場所だなと感じました。

「ゆっくりと保命酒の湯につかりぐっすりと眠った朝は、体がととのう朝ごはんを食べて1日をスタートさせる」

福山オリエンタルホテルは、これからも宿泊客だけではなく、朝食を食べに来る人たちにも心地よい空間を提供し続けることでしょう。

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