求む!! 奥津軽案内人/津軽半島観光アテンダント推進協/人手不足、「一緒に活動を」

「太宰列車」の前でポスターを手にする、アテンダントの左から松山さん、坂本さん、平山さん

 今年で設立10年目を迎えたNPO法人・津軽半島観光アテンダント推進協議会(五所川原市、川嶋大史代表理事)が、人手不足にあえいでいる。現在アテンダントは3人のみのため、津軽鉄道の乗務に当たるので、ほぼ精いっぱいの状況。個人旅行客からのガイド要望などを断らざるを得ないケースも出ている。同NPOは「海外からの観光客も増えている。青森県への注目度が再び高まっている今、一緒におもてなしをしてくれる人が欲しい」とし、新たな“奥津軽の案内人”を待ち望んでいる。

 同協議会は2014年4月、県などで組織していた前身の協議会をNPO化して発足した。スタート時のアテンダントは5人。交代で津鉄車内でのガイドなどを行ってきたが、引退などで次第に減少したため、現在は坂本清雪さん、松山千恵子さん、平山菜桜さんの3人となっている。

 津鉄への乗務は、月-木曜日が津軽五所川原-金木駅間の3往復、金-日曜日と祝日は津軽五所川原-津軽中里駅間の4往復で行っている。今の時期は、企画列車である「太宰列車」内での作品朗読なども行い、沿線の魅力PRに一役買っている。

 ただ、平山さんはパート勤務のため、フルタイムで動けるのは坂本さんと松山さんの2人だけ。「人が足りず、ほぼ津鉄への乗務になってしまっている」と坂本さんは語る。

 アテンダントは乗務だけにとどまらず、陸奥湾側も含む津軽半島全体の広域観光を活性化させる役割も担う。バスツアーや個人客の有料ガイドもその一つ。コロナ禍が落ち着き、旅行需要が回復しつつある中、同NPOにもガイドの問い合わせが再び寄せられるようになっているが、人手が足りず「即答できない」(坂本さん)状況が続いているという。

 ほかにもアテンダントたちは、交流サイト(SNS)での地域観光情報の発信を活発に行っている。夏祭りの季節が迫る中、「あと1人ガイドがいるだけで、かなり“回る”ようになる」と川嶋代表理事は話す。

 同NPOは、通年でなく、繁忙期だけの勤務もできるようにするなど、働き方の間口を広げており、「男女問わず、一緒に活動してくれる人が欲しい」と川嶋代表理事。副代表理事である坂本さんも「研修を行うので、未経験でも問題ない。やる気さえあれば大丈夫」と呼びかける。

 採用条件や待遇などアテンダントに関する問い合わせは、同NPO(電話0173-26-7520)へ。

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