審理長引く可能性も 袴田さんの再審検察が有罪立証を検討

いわゆる「袴田事件」で死刑判決を受けていた袴田巖さんのやり直し裁判について、検察が有罪立証することを検討していることが分かりました。

袴田巖さん(87)は1966年、旧清水市で一家4人が殺害された事件で死刑が言い渡されていましたが、2023年3月に東京高裁が再審=裁判のやり直しを決定しました。決定の中で高裁は犯人のものとされた衣類について「ねつ造された可能性が高い」と指摘しています。

その後の関係者への取材で検察側はこの衣類について専門家の意見を聞くなど有罪立証に向けた追加の捜査を行ったことが分かりました。検察側は再審で有罪立証することを検討していて、7月10日にも方針を決め、静岡地裁に伝えるものとみられます。

静岡地裁は検察と弁護団に対して、それぞれが裁判で主張する内容=冒頭陳述の案を7月10日までに提出するよう求めていましたが、検察が有罪立証をすれば審理が長引く可能性があり、弁護側の反発は必至です。

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