小坂町のワイナリー構想、ヤマブドウ特産化経て実現 ブランド化図る町の取り組み

 第1回日本山ぶどうワインコンクールが14~16日、秋田県小坂町で開かれる。コンクールはヤマブドウ系品種で醸造したワインのブランド化を図り、地域活性化や交流人口の拡大につなげるのが目的だ。ワインを通じた観光客の呼び込みに力を注ぐ開催地の取り組みなどを紹介する。5回続き。

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 小坂町は2017年、県道大館十和田湖線(樹海ライン)沿いにある「道の駅こさか七滝」近くに「小坂七滝ワイナリー」を整備した。特産のヤマブドウ交配種でワインを醸造する施設だ。総事業費約1億2千万円を投じて町有施設を改修。醸造と販売は第三セクター「小坂まちづくり会社」に委託した。

 町などによると、ワイナリー建設の構想は1988年にさかのぼる。当時の竹下登内閣が全国の市町村に交付した1億円のふるさと創生事業資金の一部を活用し、鴇(ときと)地区にブドウ畑を整備した。鴇地区は火山灰土壌で水はけが良く、ブドウの栽培には最適だった。将来的に自前のワイナリーを設け、ブドウを収穫してワインを味わうグリーンツーリズムを推進する、という青写真を描いた。

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