患者ら癒やす巨大壁画を制作 学芸館高の佐藤さん 岡山の病院に

 学芸館高3年佐藤月菜さん(17)の巨大な壁画が岡山市東区西大寺南の岡村一心堂病院内に登場した。優しい色調の模様が患者らを癒やしている。

 美術部に所属する佐藤さんは「ルナトラ」のアーティスト名でインスタグラムに作品を投稿するほか、ライブペイントやグループ展に挑戦している。

 今回は1階と2階をつなぐ階段の壁面を使った抽象画で、高さ最大約4メートル、幅約12メートル。ピンクや黄、水色のペンキで丸やハートに似た形を重ねた模様、太さの異なる線の弧などを描いた。スマイルマークや瞳、サインといった隠し絵も忍ばせた。見上げると階段に沿って絵が上昇しているように見える。

 この階段は幅広い年代の患者や病院職員が毎日利用する。岡山市立の小学1年の児童(6)は「ハートマークを探すのが楽しいよ」と笑顔。岡村暢大理事長・院長は「自然に視線が上がる作品で『元気が出る』と好評」と話す。

 病院によると、元々の絵が経年劣化し改装を考えていた。病院職員と同高教員が知り合いだった縁で佐藤さんが描くことになった。

 子どもから大人まで楽しめるようにと、思いつくままに筆を走らせた佐藤さん。放課後や休日を使い半年かけて5月に完成させた。自作では一番大きく「納得の仕上がりで多くの人に見てもらえてうれしい。今後も好きな絵を描き続けたい」と意気込む。

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