お試し経営してみませんか―。岡山市の表町商店街にある生活雑貨店「無印良品」は、店の一角に設けたスペースを地元事業者に貸し出す取り組みを進めている。商店街で新規出店を考えている人を後押しし、にぎわい創出につなげる狙いだ。
天満屋岡山店向かいに3月末オープンした下之町の店舗で「一坪開業」と名付けて始めた。対象は原則、県内事業者。無印良品が陳列棚やハンガーをつるすラック、レジを貸し、出店者は接客を担う。取扱商品や期間は話し合いで決める。有料。
第1弾として岡山市東区西大寺中の五福通りにある制服のリユース店「るーぷ」が利用。高校の制服や古着などを並べ、5月末まで2カ月間営業した。宇野広大代表(23)は「挑戦しやすかった。商品管理の問題や対応策が分かったし、来店客には事業を知ってもらうきっかけになった」と手応えを語る。
無印良品によると、表町商店街は店主の高齢化などでシャッターを下ろす店が増加。一方で出店を希望する地元事業者からは「初期投資が大きく出店のハードルが高い」「賃借スペースが広すぎる」といった声が聞かれるという。無印良品を展開する良品計画(東京)が商店街活性化を目指し、前橋市の店舗に続く全国2例目の「一坪開業」を企画した。
海老原孝人店長(38)は「シャッターを一枚でも多く開けるのが目標。手探りの状態ではあるが、希望者の意向に柔軟に対応し第2、第3弾を模索していく」と意気込む。