高梁で「ベルギーと日本」展開幕 虎次郎ら日本人画家にスポット

ベルギーに学んだ日本人画家たちの色鮮やかな作品が並ぶ会場

 高梁市成羽町地区出身の洋画家児島虎次郎(1881~1929年)らベルギーに学んだ日本人画家たちにスポットを当てた特別展「ベルギーと日本―光をえがき、命をかたどる」(山陽新聞社共催)が8日、同市成羽町下原の市成羽美術館で開幕した。

 虎次郎と同時期にベルギーに留学した画家太田喜二郎(1883~1951年)、彫刻家武石弘三郎(1877~1963年)を含めた3人の作品を中心に約110点を展示。絵の具の色を混ぜず点描で表したベルギー印象派の影響を反映した作品が並ぶ。

 留学中の虎次郎が手がけた代表作「和服を着たベルギーの少女」は、点で刻んだ無数の色が明るい画面を生み出す。太田の「乳屋の娘」は光を背にした少女を中心に据え、明暗を生かして周囲の自然を際立たせている。

 女性(71)=岡山市北区=は「ベルギーの素朴な風景がよく伝わる。明るい色彩の絵が多く、気持ちが温かくなった」と話した。

 初日は、3人の作品を収蔵する市成羽美術館、目黒区美術館(東京)、新潟県立近代美術館の学芸員がリレートークし、それぞれの生い立ちや画風を紹介した。

 8月27日まで。月曜休館(7月17日は開館し翌日休館)。

© 株式会社山陽新聞社