【高校野球神奈川大会】鎌倉学園、1回戦屈指の好カード制す 竹内監督「彼らはくじけなかった」

【鎌倉学園-横浜商大】

◆鎌倉学園8-4横浜商大

 「彼らはくじけなかった」。1回戦屈指の好カードを制した鎌倉学園。竹内智一監督(41)は、そう言って選手たちをたたえた。

 昨秋は県大会初戦敗退、そして今春は地区予選敗退。結果が出ずに苦しむチームを、指揮官は「努力の量と結果が釣り合っていないだけ。やってきたことは間違っていない」と鼓舞し続けてきた。

 しのぎ合いとなったこの試合。終盤になって、まるで自分たちを信じて1年を過ごしてきた鎌学ナインを讃えるように、勝利の女神はほほえんだ。

 七回、あっさりと2死を取られてからの死球で走者一塁。打席には三回は引っかけて併殺打に倒れた北野が入る。「結果が出ていなくても焦らない」。それが培ってきたメンタル。前の打席から見事に修正し、左中間を破る二塁打で勝ち越しに成功した。

 気持ちの強さは先発を任された面本も同じ。春から本格的に投手を始めた新戦力だが、竹内監督が「ふてぶてしい」と評する2年生。「保土ケ谷球場の最初の試合。ワクワクした。勝つ自信があった」。覚えたばかりのスライダーで両サイドを強気に突いた。

 春の地区予選、藤沢清流に敗れた試合は、1-13から追いついての1点差負けだった。「あの試合を財産にするという思いでやってきた」と竹内監督。フル応援が解禁となった保土ケ谷のスタンドに、鎌学の校歌が鳴り響いた。

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