ミズノ ST-Z 230 ドライバーを万振りマンが試打「安定感抜群! 課題はスピン」

鉄芯テクノロジー搭載の新ST HS50m/s台のYouTuber評価は!?

「CORTECH CHAMBER(コアテックチャンバー)」と呼ばれる新テクノロジーを搭載し、新次元の飛びを目指したミズノ「ST230」シリーズ。ウレタン樹脂と一体成型させた鉄芯ステンレスと呼ばれる特殊素材を、ソール前方に採用することで反発力を向上させ、ボール初速をアップさせるという。そんな同社の自信作を、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。フルスイング系YouTuber・万振りマンが、後方中央にウエートを装着した「ST-Z 230 ドライバー」の試打評価を行った。

「初速性能&安定感は文句なし! ポテンシャルをどう生かすかがカギ」

ミスショットも目立ったが 比較的に許容範囲の中で飛ばせていた模様

―率直な印象は?
「数値を見ると(平均飛距離290.9yd)飛距離に特化しているモデルではなく、安定感が抜群で、安心して振っていける部分が一番の特徴だと感じます。クセのない打ちやすさで、どんなタイプのプレーヤーにもフィットする。グリーンに映えるブラックカラーは、趣味嗜好関係なく受け入れやすく、普遍的でクセのない形状もプレーヤーを選ばない。誰にも嫌われず、多くの人に好かれる要素を考慮している気がしました」

バックウエートが最後部に装着された「ST-Z」

―新テクノロジー「コアテックチャンバー」の効果は?
「飛び出し方向に進もうとする慣性の力を働かせる効果があると聞きましたが、確かに前作よりもボール初速のスピードアップを体感できました。正直『コアテックチャンバー』の効果なのか、βチタンフェースのおかげかは分かりませんが、初速性能の高さを十分に実感することができます。結果的にはスピン量が多く入ってしまい、飛距離に還元できませんでしたが、調整次第で新たなテクノロジーを生かせれば、確実に結果も付いてくると思いました」

X(左)に比べてカーボン比率を全体的にバランスよく均一に配置したZ(右)

―兄弟モデル「ST-X 230 ドライバー」と比べると?
「2モデルを比べると、なぜかドローバイアス設定の『ST-X』のほうが低スピンで、飛距離が伸びました。後方ウエートの位置が真ん中に位置した『Z』より、ヒール寄りにある『X』のほうが若干、重心が前にあるからなのでしょうか…。両モデルとも振り心地と初速性能は文句なしで、打感もやわらかくて気持ちいい。となると、あとはスピン量を抑える課題に取り組めばいい話なので、どちらもシンプルに問題を解決しやすいモデルといえます」

中心部を厚くして周辺部を薄くすることでフェースのたわみを増幅させた独自設計

―具体的にはどのようにカスタムする?
「試打したクラブが、ロフト角9.5度かつカチャカチャ機能はスタンダード設定だったので、ローポジションにすると-2度調整でき、少しスピンを抑えられるとは思います。ですが、ロフト調整だけでは不十分な気がするので、やはりリシャフトが必要でしょう。具体的には、先調子でつかまりが良く、しかも低スピンに抑えらるグラファイトデザイン『TOUR AD CQ』と組み合わせてみたい。つかまる特性の『X』ヘッドに、つかまりを補助しながらスピンも抑える『CQ』を足せば、振り心地を変えないまま飛距離をドンッと伸ばせる気がします

重さ:55g、長さ45.5インチ、トルク:5.4、中調子(※硬さSの場合)

―他社でいうと類似モデルは?
「初速性能だけでというと、テーラーメイド『ステルス2 プラス ドライバー』のスピード感に近いです。チタンとカーボンでフェース面の素材は違いますが、飛んでいくボールのスピード感は似ています。それだけ力強さは重なるのですが、振り心地は『ステルス2 プラス』ほど重量級ではないため、全体のイメージはダンロップ『スリクソン ZX5 Mk II ドライバー』になるでしょうか…。平均点が高い優等生タイプで、しかも調整次第で飛距離性能が見込める。あとは、どちらもスピン量をどこまで減らせて、振り心地を壊さず飛距離アップできるか、という課題まで類似している気がしました」

「Xと比べて スタンダードな性能のZのほうが吹け上がってしまった…」と万振りマン

―どのような人向き?
「ドライバーの全体重量は比較的に軽めで(XもZも同じ総重量:299g ※シャフト硬さSの場合)、形状も打感も万人受けするとなると、本当にどんなタイプのゴルファーでも買って損はしないドライバーといえるでしょう。HSの速いアスリートゴルファーでも、スピンを減らせる調整さえできれば、必ず気になる存在になる。抜群の安定感を求める人には最適なモデルだと思います」

飛距離以外は4.5が並ぶ高評価【総合評価4.4点】

【飛距離】4.0
【打 感】4.5
【寛容性】4.5
【操作性】4.5
【構えやすさ】4.5

・ロフト角:10.5度
・使用シャフト:TOUR AD GM D(硬さS)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋

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