【高校野球神奈川大会】25年ぶり無印の桐光学園が大勝好発進 4番中村ら下級生が快音連発 

【横須賀大津―桐光学園】5打数5安打と活躍した桐光学園の中村=横浜(花輪 久写す)

◆桐光学園17-3横須賀大津

 桐光学園がともに毎回の19安打17得点で七回コールドの大勝。25年ぶりのノーシードで挑む夏の神奈川の頂点に向けて好発進した。野呂雅之監督(62)は「練習では大振りが目立っていたが、しっかりミートした打球が多かった。修正できたのは収穫かな」とまずまずといった表情だ。

 圧巻は1三塁打、2二塁打を含む5安打の活躍だった4番の2年中村。本塁打が出ればサイクル安打という5打席目も自らを律し、甘い球を見逃さない。鋭く左前にはじき返し、2者を迎え入れ「記録? 意識していません。チーム打撃に徹した」とほほ笑んだ。

 その中村をはじめ、打線は1番から5番まで下級生が名を連ねて快音を連発。1年ながら3打点の5番白鷹は「8試合を勝ちきりたい」と頼もしい。桐光が躍進するシーズンには最上級生が奮起するのはもちろん、必ずと言っていいほど若い力が台頭するだけに好材料と言えるだろう。

 一方、投手陣は制球難が災いして3失点。夏初戦のマウンドという緊張感を少しでもほぐすため、珍しく先攻を選んだ指揮官だが、こちらはやや思うようにはいかなかったようだ。

 エース中平以外の底上げは11年ぶりの優勝への絶対条件。野呂監督は「高校生は夏の3週間で大きく変わる」と変わらぬ高い期待を寄せ、年明けから捕手の要職を担う中村も「打者を抑えるすべは春から増えている。それぞれの良さを引き出すことができれば」と意気込んだ。

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