愛犬にノミを発見した時『絶対にしてはいけない行為』2つ!適切な対処法や必要な予防とは?

愛犬にノミを発見した時「絶対にしてはいけない行為」とは

そもそもノミとは、世界中で2000種類以上いるとされている虫で、犬につくノミのほとんどが「ネコノミ」で体調は1.5~2mmほどの大きさです。

薄い褐色をしていて犬の体表を這うように動きまわります。犬の体を這うように動き回る様子や、小さな黒い粒のような糞などによって、飼い主さんがノミに気付くことが多いと思います。

ノミは山や森林のように自然豊かな場所だけでなく、都会であっても草があれば生息しているので、日本全国どこであっても注意しなければなりません。

また、ノミはあたたかく湿った環境を好むので、日本では6~9月を中心に活動が活発になります。ただし、ノミは13℃以上あれば活動をスタートさせると考えられているので、暖房で部屋があたたかく保たれている日本の住環境では年間を通して対策が必要となります。

ノミに刺されると、まず強いかゆみを感じます。これは、ノミの唾液に対するアレルギー反応のひとつで、かゆみを感じるとともに皮膚の炎症も生じます。

犬が体を掻きむしることで、炎症部分が傷になってしまうことが多いので、体を掻くことが増えていると感じたらすぐにチェックしましょう。

また、生後間もない子犬の場合は、大量のノミに吸血されて貧血を起こしてしまうこともあります。さらに、瓜実条虫(サナダムシ)の幼虫が寄生しているノミを口にしてしまって、下痢などを引き起こすこともあるので、子犬の場合は特に注意が必要です。

ノミについて学んだところで、ここからは愛犬にノミを発見した時に「絶対にしてはいけない行為」について解説します。

1.指でノミを潰す

愛犬の体にノミを見つけて指でつまんだとき、とても小さいのでそのまま潰して処理してしまう人もいるかもしれません。

しかし、ノミを見つけたときに最もしてはいけない行為が、潰すことです。

メスのノミの体の中には大量の卵が入っているので、それを潰すことで卵が周囲に飛び散ってしまいます。それが犬の体についてしまうこともありますし、家の中であれば知らないうちに室内でノミが繁殖してしまう危険性もあります。

もしもノミを潰してしまったときは、しっかりと手洗いをして、犬の体をきれいに拭いたり周辺の掃除を念入りに行いましょう。

2.そのままごみ箱に捨てる

ノミを見つけてつかまえたとき、そのままごみ箱にポイッと捨てたり、ティッシュで軽くくるんで捨てたりする人もいるのではないでしょうか。

しかし、ノミは飛び跳ねることができるため、ごみ箱から出てしまうことが十分考えられます。また、ティッシュにくるんでも、非常に小さいので丸めたティッシュのすき間から出てきてしまうこともあります。

ノミをつかまえたときは死滅させる必要があるので、テープに張りつけて閉じ込めた状態で捨てたり、洗剤を入れた水につけてから流したりして、潰さないようにして確実に処理するようにしてください。

部屋に戻ってきたノミは、カーペットや犬のベッドなどに残って増殖していく恐れがあるので、ノミを見つけた場合は確実に死滅させて処理をしましょう。

適切な対処法と必要なノミ予防

では、実際に愛犬にノミを発見してしまったときにすべき対処法と、必要なノミ予防について解説いたします。

害虫駆除薬を使用する

ノミの対処法として最も効果的なのが、ノミの駆除薬を使用することです。滴下タイプのノミ駆除剤を皮膚につけていきわたらせたり、経口タイプの薬を飲ませたりすることで、ノミの予防や駆除ができます。

ただし、犬の皮膚が荒れてしまうことや経口薬でお腹を壊してしまうこともありますので注意が必要です。

愛犬の体質やライフスタイルを考慮して、獣医師に相談しながら適切なものを使うようにしましょう。駆除剤を使用することがノミの駆除で最も効率的で確実と言えます。

こまめなブラッシングと定期的なシャンプー

ノミは日常の散歩などでついてしまう可能性があるので、日頃からこまめにチェックをすることが大切です。散歩から帰ったらノミ取りブラシなど目の細かいブラシで被毛をとかして、ノミを落とすといいでしょう。

また、定期的にシャンプーをして、被毛の表面から奥に入ってしまったノミもしっかり洗い流すようにしましょう。

ノミがたくさんついてしまったときなどは、ノミを駆除する効果のある成分が入ったノミ取りシャンプーを使うと効果的です。

部屋を清潔に保つ

ノミを直接的に駆除する方法ではありませんが、根本的にノミが繁殖しにくい生活環境を整えることも大切です。

ノミは、食べ物のカスやふけ、ほこりなどをエサにするので、不潔な環境でこそより繁殖する傾向があります。

そのため、犬が過ごす場所や使うベッドなどは常にきれいに保つようにしましょう。掃除するだけでなく、犬が使うものが洗濯をしたり干して日光に当てたりするのもおすすめです。

まとめ

犬にとって、ノミは非常に身近な害虫と言えるでしょう。最近では、生活をしている地域や季節を問わず、ノミが活動することが考えられるので、ノミ対策はどのような犬にとっても欠かせないものです。

愛犬がかゆみで不快になったり、体に悪影響が及んだりしないように、しっかりとノミ予防をし、こまめなボディチェックで早期発見をするようにしましょう。

(獣医師監修:平松育子)

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