絡み合う幹「女性の体」?棟方志功さん愛したカエデの木/鶴田

棟方志功が愛したカエデの木と松山さん

 青森県鶴田町中野にある松山榮二さん(76)=五所川原市在住=の生家の庭に、世界的板画家・棟方志功(青森市出身)がほれ込み、毎年見に訪れていたカエデの木がある。

 松山さんの父・榮久さん(故人)が、同町出身の志功の妻・チヤと親戚関係にあり、志功は60年ほど前、7、8年続けて青森ねぶた祭を見た後にこの木を見に訪れていたという。

 「いつも夫婦でタクシーに乗って来た。分厚いレンズの眼鏡をかけ、まじまじと木を見ながら『いいなあ、いいなあ』『これは残しておかないといけない』と津軽弁で話していた」と振り返る松山さん。絡み合うように曲がりくねった幹の形が「女性の体に見えたのだろう」と想像し、「当時に比べて木はすっかり古くなり、葉っぱも少なくなった」と時の流れに思いをはせた。

© 株式会社東奥日報社