悲願に“王手”の単独首位 畑岡奈紗「私も松山さんみたいに」

初めてメジャーで単独首位に立って最終日へ(撮影/高藪望)

◇海外女子メジャー◇全米女子オープン 3日目(8日)◇ペブルビーチGL (カリフォルニア州)◇6509yd(パー72)

求めてやまなかったビッグタイトルが目の前にある。畑岡奈紗がメジャーで初めて単独首位に立って最終日を迎える。悲願達成へ「松山(英樹)さんがマスターズで勝った時、同じ日本人としてうれしかったし、勇気をもらった。私も松山さんのような存在になれるよう、あした頑張りたい」と力を込めた。

今週初めて晴れたペブルビーチでボギーなしの「66」(撮影/高藪望)

5位スタートから、この日のベストスコア「66」で回って通算7アンダー。特に、過去2日間でトータル3オーバーを喫していたイン9ホールで4バーディ。「予選2日間、苦しめられていたバックナインを攻略できて良かった」。ただ一人のボギーなしで、3日目にして今週最も強い風が吹いたペブルビーチを制圧した。

厳しい場面でもパーを拾い続けた(撮影/高藪望)

10番で7mのロングパットを決めると、13番は5m弱をジャストタッチで沈めた。わずか10㎝ほどの差でバンカーにこぼれた12番(パー3)、クラブのジャッジミスで大きくショートした15番といったディフェンス面も鉄壁のパーセーブを連発した。

極め付きは16番。左ラフからのセカンドは奥のセミラフまでこぼれたが、下りの速いラインとなる寄せにも「きのう同じようなチッピングをしていたのでイメージは良かった」と動じない。2mほど左を向き、58度のウェッジでクリーンに拾ったボールは傾斜で大きく弧を描いてカップに消えた。「まさか入るとは思わなかった」と笑いつつ、力強いガッツポーズ。ムービングデーを派手に駆け抜けた。

チップインにこのガッツポーズ(撮影/高藪望)

「ずっとそれを目標にやってきた」。メジャー制覇への思いは、今さら多くを語る必要もない。2018年「全米女子プロ」、21年「全米女子オープン」と2度のプレーオフ惜敗を含め、最終日にまくってわずかに及ばなかったこれまでを考えれば、ポールポジションに立ったことを素直に喜ぶ。

パーオン率67%はフィールド3位(撮影/高藪望)

「2打差とか3打差で追いかける方が楽と言われることも多いんですけど、今までそれで追いつけずに逆に悔しい思いをしたことの方が多い。やっぱり上にいる方がアドバンテージだと思う。楽しみな気持ちもありますし、緊張はすると思うんですけど、自分の今やっていること、サポートしてくれている人たちを信じてやりたい」。米ツアー7年目、日本のエースと呼ばれて久しい24歳。機は熟した。(カリフォルニア州ペブルビーチ/亀山泰宏)

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