【中国】アントに懲罰金740億円、保険違法参入など[金融]

中国国家金融監督管理総局は7日、阿里巴巴集団(アリババグループ)傘下の金融会社のバ蟻科技集団(アントグループ、バ=むしへんに馬)に37億6,248万600元(約740億円)の懲罰金を科したと発表した。保険業や銀行業に不法に参入したと認定した。

不法所得として11億2,977万6,200元を徴収し、罰金として26億3,270万4,400元を徴収する。

国家金融監督管理総局は、アントグループが「銀行・保険機関の業務活動に違法に参入した」と認定。具体的には保険代理業や保険販売業を違法に手がけたほか、老後保障の金融商品や銀行の理財商品(高金利の財テク商品)などを違法に販売したと説明した。

さらに「消費者の合法的な権益を侵害した」とも認定。金融商品の宣伝・販売時に十分な商品説明を行っていなかったほか、消費者の個人情報の取り扱いに法令違反があったとした。

■傘下会社含めると1400億円

中国国営中央テレビ(CCTV)系の央視財経によると、国家金融監督管理総局はアントグループの傘下会社にも懲罰金を科した。懲罰金は傘下会社に科した額を含めると71億2,300万元(約1,400億円)に上る。

国家金融監督管理総局はアントグループに対し、疾病保険プラットフォーム「相互宝」の事業を取りやめることも命じた。

相互宝は、アリババグループの電子決済アプリ「支付宝(アリペイ)」に組み込まれている保険プラットフォーム。加入すると、重大疾病にかかったときに最高30万元の補償金を受けられる。

アントグループは同日、「(処罰を)誠実に受け入れる」などとする声明を発表。事業内容の改善に努めていく方針を強調した。

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