【香港】住宅重税の見直しは否定、財政長官[建設]

香港政府の陳茂波(ポール・チャン)財政長官は7日に更新した公式ブログで、香港金融管理局(HKMA)が同日発表した住宅ローン融資比率(LTV、住宅価格に対する借り入れの比率)の緩和について、住宅投機抑制策の見直しを示唆するものではないと強調した。市民の実需を満たすことを優先し、投機的な取引を抑制する従来の政府方針は「変えない」と明記した。

香港政府は2010年以降、不動産の短期転売や域外からの購入、2軒目以降への投資に対する追加課税を相次いで導入し、段階的に課税範囲の拡大や税率の引き上げを行ってきた。業界にとって厳しい内容の強硬措置であることから、中国語で唐辛子を表す「辣椒」をもじって「辣招」と呼ばれ、業界からはこれら投機抑制策を緩和する「減辣」を求める声が上がっている。

陳氏はブログの中で、LTVを調整する今回の措置は「『減辣』の前奏でもなければ変奏でもない」と表現。「政府は『減辣』を考慮していない」として政策方針の変更を明確に否定し、政策判断の原則は「銀行システムのリスクを制御し、同時に居住目的の住宅を求める市民のニーズを満たすことだ」と説明した。

陳氏は翌8日の記者会見でも「『辣招』を調整する考えはない」と投機抑制策の見直しを重ねて否定した。LTVの緩和は「金融の安全を前提に、マイホームを買いたい人、買い替えたい人が可能な範囲で頭金を少なく抑えられるようにすることが目的だ」と述べた。

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