検察方針表明、きょう期限 袴田さん再審、有罪立証最終調整

袴田巌さん

 1966年に起きた静岡県清水市(現静岡市)の4人殺害事件で死刑が確定し、裁判やり直しが決まった袴田巌さん(87)の再審公判で、検察側が静岡地裁に立証方針を示す期限の10日を迎えた。関係者によると、有罪立証する方向で、慎重に最終調整をしているとみられる。弁護側は早期結審や再審無罪判決を求めている。検察と弁護側が全面的に争い、公判が長引く可能性がある。

 東京高裁は今年3月の決定で、確定判決が「犯行着衣」とした衣類5点の証拠を、捜査機関側が捏造した可能性が極めて高いと指摘。「到底袴田さんを犯人と認定できない」と結論付けた。

 検察は最高裁への特別抗告を断念し、再審開始が確定した。4月に開かれた静岡地裁、弁護団との初の3者協議で、7月10日までに再審公判の立証方針を示すと表明。一連の証拠を精査し、5点の衣類の変色状況などを補充捜査していた。

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