伝統の綱引き心待ち、稲刈りに汗 4年ぶり開催へ綱作りのわら調達 沖縄・渡嘉敷

 【渡嘉敷】沖縄県渡嘉敷村渡嘉敷区の300年余を誇る伝統行事の大綱引きが8月11日(旧暦6月25日)、4年ぶりに実施される。この綱作りに使用するわら調達のための手作業での稲刈りが7月1日、渡嘉敷区の知念優区長の田んぼで地域住民ら30人余も参加して行われた。

 渡嘉敷区では毎年、旧暦6月25日の6月カシキー(綱引き)の日に、豊年感謝で綱作りから綱引きまでが行われる。

 稲は知念区長の田んぼ約2千平方メートル(約600坪)に区長自らが植えた。真夏日の下、参加者は黄金色に実ったコメ「ちゅらひかり」の刈り取りに汗を流した。

 知念区長は「手作業で刈った稲は、わらが長くて丈夫だ。コロナ禍で3年連続中止となり、昨年は有志らで継承のため大綱の披露のみだった。今年は区民総出の本来の大綱引きを行う」と全面復活に意欲を見せた。

 稲刈作業に参加した元渡嘉敷村長の座間味昌茂さん(82)は「大綱引きは住民の団結心と心をつなぐ区の誇る最大行事だ。綱引きには多くの住民や観光客に参加してほしい」と呼びかけた。

(米田英明通信員)

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