ヤングケアラー支援推進、厚労省 介護保険の基本指針案に初明記へ

厚生労働省

 厚生労働省は10日、介護保険の運営に関する基本指針の案に、親などを世話するヤングケアラーの支援推進を初めて盛り込む考えを明らかにした。今秋にも決定し、市区町村が作成する2024年度から3年間の介護保険事業計画に反映させる。全国各地で相談体制などの充実を目指す。

 この日の社会保障審議会の部会で指針案を提示。ヤングケアラーなど家族を介護する人の支援を重視する考えを明記した。25年には団塊の世代が全員75歳以上になり、介護を必要とする高齢者が増える見込み。介護する人の負担軽減を進める必要があると判断した。

 指針案では「認知症高齢者の家族、ヤングケアラーなど家族介護者支援に取り組むことが重要」と記した。関係機関などと連携し、相談体制を強化させていく見通し。

 ヤングケアラーは病気や障害のある家族の介護や、幼いきょうだいの世話をする子ども。負担が過度になれば、学業や健康状態に悪影響が出る懸念があり、行政が早期に発見し支援につなげられるかが課題となっている。

© 一般社団法人共同通信社