イエレン氏「訪中は成功」 会談で反スパイ法に懸念表明

在北京の米国大使館で記者会見するイエレン米財務長官=9日(AP=共同)

 【ワシントン共同】イエレン米財務長官は9日に放送された米CBSテレビのインタビューで「米中の対話の機会を築いた。今回の訪中は成功した」と述べた。中国側から「温かい歓迎を受け、非常に実質的な会談だった」とも強調し、両国関係の安定化につながったと自信を示した。

 一方で、中国で今月1日に改正反スパイ法が施行され、米企業が脅威にさらされているとの指摘には、会談で「懸念を示した」ことを明らかにした。また、中国が来月から始める半導体材料の輸出規制が、米国による半導体規制への報復行動の可能性があるとし、これについても懸念を伝えたと話した。

 イエレン氏によると、今後は両政府のスタッフがより頻繁に接触する機会を持つという。

 米政権が近く公表するとみられる対中投資規制を巡っては「中国経済に影響を与える行動を取る場合は透明性を確保し、対象を絞り込み、十分な説明を行う」と表明。決断時期は未定だとした。

 中国財政省は10日、イエレン氏との一連の会談で、対中制裁関税の取り消しや輸出規制の緩和などを求めたと発表した。

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