那智の滝に大しめ縄張り替え 「那智の扇祭り」前に、和歌山

日本一の落差を誇る那智の滝の滝口で大しめ縄を張り替える神職ら(9日、和歌山県那智勝浦町で)

 和歌山県那智勝浦町那智山の世界遺産・熊野那智大社(男成洋三宮司)は9日、14日に営まれる例大祭「那智の扇祭り」(国重要無形民俗文化財)に向け、那智の滝の滝口に張っている大しめ縄を張り替えた。

 一段の滝としては日本一の落差(133メートル)を誇る那智の滝は、熊野那智大社の別宮・飛瀧神社のご神体。水が落ちる滝口には、さらし布で作ったという長さ約26メートルの大しめ縄を張っており、毎年、例大祭と正月の前に新しくしている。

 この日は那智大社で神事を営んだ後、白装束の神職ら5人が大しめ縄を担いで険しい山道を30分ほど歩き、滝の上まで移動。命綱をつけながら水の落ち際に立ち、手際よく張り替えた。

 作業を終えた禰宜(ねぎ)の井戸大輔さん(42)は「今年の例大祭は4年ぶりの通常開催になるので、無事に終えることができるようにと願いながら張り替えた。ぜひお越しいただけたら」と話していた。

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