◆東海大相模7-5湘南学院
まさかの初戦負けも覚悟した東海大相模を、特大ホームランが生き返らせた。
0-4とリードされた六回裏。2死三塁で打席には5番松本ジョセフ。カウント1-2からの落ちるチェンジアップを叩いた打球にセンターは一歩も動けず。白球はサーティーフォー保土ケ谷球場の電光掲示板にぶち当たってバックスクリーンに落ちた。
そこまで、フライアウトが10。春、相洋、横浜隼人に〝連敗〟した試合を思い起こさせる湿った打撃に、原俊介監督の脳裏には「これで負けたらせっっかくの子どもたちの頑張りが…」と敗戦がよぎっていた。
だが、選手たちは冷静だった。「春と同じではだめ。低い打球を打とうとベンチで言い合っていた」(松本)。本来は打ち勝つことをテーマにしてきたタレント打線は、グリップ1つ分バットを短く持つことをいとわず、湘南学院・藤枝幸祐の変化球を徐々に捉えていた。
「1人1人が自分の役割を。自分は長打で走者を還す」(松本)。バックスクリーンへの一撃は公式戦2本目。原監督は「あれで、追い上げられると元気をもらった」とうなずいた。
今年のチームで作った深紅のTシャツの背に書かれた欠かれた文字は「逆襲」。4年ぶり夏の甲子園を目指すサガミを牽引する松本は、「夏は厳しい試合になるのが当然。慶応も相洋も、これまで負けた相手はみんなボコボコにする気持ちで挑戦していく」と気合を入れた。