企業倒産32%増5年ぶり高水準 上期、コロナ融資返済・物価高で

 東京商工リサーチが10日発表した2023年上半期(1~6月)の全国の企業倒産件数(負債額1千万円以上)は、前年同期比32.1%増の4042件で、18年(4148件)以来5年ぶりの高水準となった。新型コロナウイルス対策の実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済本格化や、物価高に伴う原材料や人件費などのコスト高騰が響いた。

 ゼロゼロ融資を受けた企業で倒産が確認されたのは322件で、前年同期の1.9倍に拡大。物価高を起因とする倒産も3.3倍の300件に増えた。東京商工リサーチは、今後もコロナ禍からの業績回復が遅れた企業を中心に、こうした倒産は増える恐れがあるとみている。

 負債総額は45.3%減の9340億円。前年同期は負債額1兆1330億円の大型案件となった自動車部品大手マレリホールディングス(さいたま市)の民事再生法適用申請があったため、反動で減少した。

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