日航機事故遺族が自作絵本を朗読 「当たり前の日々大切に生きて」

講演する日航機墜落事故遺族の谷口真知子さん(右)=10日午後、群馬県藤岡市

 1985年の日航機墜落事故で夫を亡くした大阪府箕面市の谷口真知子さん(75)が10日、命の大切さを伝えようと、事故現場に近い群馬県藤岡市の小学校2校で自作絵本の読み聞かせ会を開いた。事故から立ち直ろうとする家族の姿を描いた「パパの柿の木」を朗読し「当たり前の日々を大切に生きてほしい」と語りかけた。

 読み聞かせ後には、墜落直前の機内で「まち子 子供よろしく」というメモを残した夫正勝さん=当時(40)=への思いや絵本制作の経緯を語り、児童や地元住民らが聞き入った。

 美九里東小6年の新井駿介君(11)は「一日一日が家族との大切な時間だと気付いた」と話した。

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