ウェス・アンダーソンらしいシンメトリーの構図 「アステロイド・シティ」スチール

©2022 Pop. 87 Productions LLC

2023年9月1日より劇場公開される、ウェス・アンダーソン監督・脚本最新作「アステロイド・シティ」から、新たなスチールが公開された。

1枚目のスチールは、ヒッケンルーパー博士(ティルダ・スウィントン)の天体観測所の内部をとらえたもの。研究員たちの座る椅子は神経質なまでに整然と並べられ、窓の配置も完璧なシンメトリーというウェス・アンダーソン監督らしい構図となっている。ほかに、オーギー・スティーンベック(ジェイソン・シュワルツマン)と、ミッジ・キャンベル(スカーレット・ヨハンソン)がモーテルの窓際で見つめ合うスチールもある。向かい合わせに建つモーテルの壁や窓の上にかかるサンシェードが、奥にそびえたつ山を中心としたシンメトリーに配置されている。

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モーテルや山のセットにもウェス・アンダーソン監督のこだわりが詰まっている。アステロイド・シティに登場するダイナーやガレージ、モーテルは本物の建物として建てられ、セット自体が小さな街として機能するように造られた。そして、街を包囲するように砂漠のセットが続き、山も巨石も小さな岩々もすべて造られたもので、CG用のグリーンスクリーンはほぼ使われていないととう。

ウェス・アンダーソン監督は、「キャストのためにどのようなセットを用意できるかが一つの決定的な要素となる」「本物の空間を作るのは手が掛かりますが、やる価値はあります。『グリーンスクリーンをバックに撮影すれば良かった』と思ったことはないし、そもそもその選択肢が頭をよぎらないです。フィルムで撮っているし、撮影手法は現代よりも1930年代のそれに近いのかもしれません」と語っている。

「アステロイド・シティ」は、1955年のアメリカ南西部に位置する砂漠の街”アステロイド・シティ”で起こる大事件を描いた作品。ウェス・アンダーソンが監督・脚本を務め、原案はウェス・アンダーソン監督と盟友ロマン・コッポラの共作となっている。キャストには、ウェス・アンダーソン監督作品ではおなじみの、ジェイソン・シュワルツマン、エドワード・ノートン、ティルダ・スウィントン、エイドリアン・ブロディ、ウィレム・デフォーらに加え、スカーレット・ヨハンソン、トム・ハンクス、マーゴット・ロビー、マヤ・ホーク、スティーヴ・カレルらが顔をそろえる。

【作品情報】
アステロイド・シティ
2023年9月1日(金) TOHOシネマズ シャンテ、渋谷 ホワイト シネクイントほか全国公開
配給:パルコ ユニバーサル映画

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