フォーミュラEローマ戦で行われる“ルーキーフリー走行”のラインアップ発表。多様な人選が揃う

 7月10日、FIA国際自動車連盟とABB FIAフォーミュラE世界選手権は、7月14〜16日にイタリアで開催されるローマE-Prixの金曜日に行われる“ルーキーフリープラクティス”に参加する11名のドライバーラインアップを発表。元F1ドライバーからFIA F2参戦中の若手、さらにはDTMドイツ・ツーリングカー選手権王者など、多様な人選が揃った。

 2023年シーズン第13戦・第14戦ローマE-Prixの金曜日に行われるこのルーキーフリー走行は、史上最速かつ最軽量、そしてもっともパワフルで効率的な電気フォーミュラマシンである“Gen3”で、ドライバーたちがそのスキルを披露する機会を提供するために行われるものだ。

 このフリー走行はフォーミュラE開催時と同様のストリート・サーキットで行われ、起用される人選はシーズン9のエントリーリストに含まれていないドライバーかつ、フォーミュラEのレースに出場したことがないドライバーを各チームが選ばなければならない。

 そんなルーキーフリー走行に参加する11名が発表され、マセラティMSGレーシングは2022年のFIA F2チャンピオンで、4月のベルリン・ルーキーテストでトップタイムを記録し、アストンマーティンF1のリザーブドライバーを務めるフェリペ・ドルゴヴィッチを引き続き起用する。

2023年フォーミュラEルーキーテスト フェリペ・ドルゴヴィッチ(マセラティMSGレーシング)

 またNIO 333レーシングもルーキーテストと同じく、2014〜2020年にスクーデリア・トロロッソ/アルファタウリで活躍した元F1ドライバーのダニール・クビアトを起用。そして2022年のDTM王者であるシェルドン・ファン・デル・リンデはジャガーTCSレーシングから参加することになった。

 そのほかにもアバランチ・アンドレッティはレッドブル育成としてFIA F2に参戦しているゼイン・マロニーを、マヒンドラ・レーシングはユアン・ダルバラをそれぞれ走らせ、NEOMマクラーレンはテストドライバーのチャーリー・イーストウッド、さらにタグ・ホイヤー・ポルシェはWEC世界耐久選手権にハーツ・チーム・JOTAのポルシェ963を駆り参戦しているイーフェイ・イェを抜擢した。

 そして日本メーカーとしてフォーミュラEに挑戦しているニッサン・フォーミュラEチームはルーキーテストにも起用したルカ・ギオットを起用。DSペンスキーはTCRカテゴリーで王者に輝くなど活躍するヤン・エルラシェール、エンビジョン・レーシングはジャック・エイトケン、ABTクプラはフランス人のETCRチャンピオンであるエイドリアン・タンベイをルーキーフリー走行で走行させる。

 フォーミュラEでは、ニック・キャシディやサッシャ・フェネストラズ、ジェイク・ヒューズ、ノルマン・ナト、セルジオ・セッテ・カマラといったドライバーたちがルーキーテストを経てレースシートにステップアップを果たしており、今回のルーキーフリー走行に参加するドライバーのなかから、将来のレギュラードライバーが輩出される可能性もありそうだ。

NIO 333レーシングからルーキーフリープラクティスに参加するダニール・クビアト
アバランチ・アンドレッティからルーキーフリープラクティスに参加するゼイン・マロニー
タグ・ホイヤー・ポルシェからルーキーフリープラクティスに参加するイーフェイ・イェ
ニッサン・フォーミュラEチームからルーキーフリープラクティスに参加するルカ・ギオット
2023フォーミュラEローマE-Prixで行われる“ルーキーフリープラクティス”に参加する11名のラインアップ

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