「余裕があったら上まで行こうかな」富士山静岡側も山開き 登頂目指す客続々も…すでに遭難2件“弾丸登山”への懸念も

登山シーズン到来です。富士山の静岡県側にある3つの登山ルートが7月10日、開通しました。登山客でにぎわう富士宮口6合目の様子をSBS井手春希キャスターが報告します。

<井手春希キャスター>

「7月10日、入山規制が解除された富士宮6合目に来ています。この場所は、5合目の登山口から約30分くらい登った場所です。10分ほど前から急に風が強くなり、天気が目まぐるしく変わっています。ちょっと肌寒いです。午後6時を過ぎて、ちらほらと下山客も見られます。10日朝から取材をしていますが、山開き初日から全国各地、そして外国からの登山客でにぎわっています」

<山開き宣言>

「これより富士山登山ルート、富士宮ルートを開放します」

富士山の夏山シーズンが10日始まり、午前9時に富士宮口6合目から山開きを待ちわびた登山客が次々と山頂を目指していきました。

<愛媛からの登山客>

「本当はもっと早く来たかったけど、コロナで3年間来られなかったので」

<兵庫からの登山客>

「きょうは『砂走館』で1泊する予定なので、そこまで行って、余裕があったら、上まで行けそうだったら行こうかな」

10日の開山に合わせ、村山浅間神社(静岡県富士宮市)では、登山の安全を願う伝統の神事が行われました。

地元で盛り上がる富士山の山開き。ただ、2023年はある懸念があります。コロナ禍を越えた2023年は、登山者数が一気に増える可能性があります。山小屋は混雑が予想され、十分な休憩をとらずに登る「弾丸登山」によるけが人や病人の増加も懸念されています。それでも、富士山を楽しみたい方におすすめなのが、6合目までのハイキングです。

<井手春希キャスター>

「ここが宝永火口ですね」

6合目では、宝永山に登れるほか「宝永火口」を見ることができます。この火口は、富士山の噴火史上最も激しい噴火のひとつで、300年以上前の宝永噴火によってできたとされていて、1番大きい宝永第1火口の直径は、なんと富士山の山頂火口より大きいんです。6合目周辺は、山頂までの登山に比べてハードルの低い宝永山やご当地グルメも楽しめます。

6合目にある山小屋「雲海荘」では、カレーやラーメンなど約40種類の山小屋グルメが味わえます。

<雲海荘 長岡早紀さん>

Qここで人気のメニューは

「やっぱり、富士宮焼きそばです」

6合目に来れば、富士宮焼きそばがごほうびとして待っています。

<井手春希キャスター>

「初日の10日から多くの登山客が来ていますが、山小屋の予約状況はいかがでしょうか」

<雲海荘 長岡早紀さん>

「比較的山頂にかけて込み合うが今年はすでにほぼ満室になっていて、その影響で6合目の山小屋も週末にかけて予約が多くなっている」

富士山の静岡県側にある3つの登山ルートは、10日から9月10日まで開通されていますが、山小屋の予約が取れない状況も考えられます。初日も富士山の静岡県側では、2件の遭難が確認されています。ぜひ、無理はせず、安全で計画的な登山をお願いします。

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