涼しさ別世界 「裏見の滝」満喫 鏡野、4年ぶりまつり

滝の裏側に回って流れを楽しむ観光客

 流れ落ちる水を裏側から間近に眺められる「裏見の滝」として知られる岡山県鏡野町上斎原の岩井滝で10日、新型コロナウイルス禍で中止していた恒例の滝まつりが4年ぶりに開かれ、観光客が梅雨のじっとりとした蒸し暑さを忘れ、名瀑(めいばく)の涼を満喫した。

 滝は鳥取県境の標高850メートルの山中にあり、落差約10メートル、幅約8メートル。裏側の岩のくぼみには不動明王が祭られ、ほとばしる水の冷気が立ち込める。約100メートル下流には環境省の名水百選の一つで子宝に恵まれるとされる「岩井」がこんこんと湧き、一帯は町を代表する景勝地になっている。

 訪れた人たちはせり出した岩から流れる清流の“ベール”に手を伸ばしたり、写真を撮ったりして満喫。まつりでは山伏装束の僧侶2人が護摩をたいて無病息災などを祈願した。

 会社員(44)=岡山市北区=は「滝の裏は別世界の涼しさ。水量も多くて迫力の眺めです」と話していた。

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