杜このみがデビュー10周年記念シングル『葦風峠』をリリース 「娘は元気なラップを子守唄にしないと寝ないんです!」

デビュー10周年を迎える杜このみが、結婚と出産を経て3年ぶりに新曲『葦風峠』をリリース。女心の切なさを歌った10周年記念曲への意気込みとともに、さまざまな経験を積んで自分自身が変わったことなど、10年の歩みを振り返りつつ今の思いを語ってもらった。


——10周年記念シングルがご自身の得意とされる民謡調ではなく、本格演歌になったのはなぜですか?

岡千秋先生に曲を作っていただけると決まったとき、スタッフと「10周年を迎えて、これからの杜このみはどんな演歌歌手に育っていくべきか」という話をしました。その結果、「主人公の気持ちを表現できるような、しっとりした王道演歌を歌える歌手に」ということになり、民謡調の曲ではなく、切ない女心を綴った本格演歌になりました。

——歌ってみていかがでしたか?

これまでの私の作品は、高音の響かせ方や民謡調の節回しをポイントとする歌が多かったので、今回は今まで挑戦したことのない、低音を響かせて女心の切なさを表現するところが特徴になっています。高音や声の張りを意識しないで、シンプルに作品の素晴らしさを伝える歌い方は初挑戦だったので、新しい自分を見つけてもらったような気持ちになりました。この先の10年のスタート地点になる作品だと感じています。

——歌詞に「3年待ち続けた」とありますが、杜さんご自身も3年ぶりの新曲ということで、この日を待ち続けていたのでしょうか?

お休み期間中に歌番組を観ながら、歌の世界に戻りたいと思うことはありました。でも、焦りや不安というより、出産という新しい経験が楽しみで、ワクワクのほうが大きかったです。新人の頃から、演歌は40代からが本番だと言われてきたので、出産と子育てを経験し、自分の歌に幅が生まれたらいいなと思っていました。

——2020年8月に高安関とご結婚されて、2021年に第1子の女の子を、2022年に第2子の男の子をご出産されました。挙式も3年待ち続け、今年、念願叶って高安関の故郷・茨城と杜さんの故郷・北海道でようやく実現しました。

はい、こちらは待ち続けました(笑)。コロナ禍もあって、式を挙げられず3年が過ぎてしまいましたが、親族の皆さんやお世話になっている方々に見守っていただきながら、やっと温かい結婚式を挙げることができて、とても幸せでほっとしました。

——ご家族は歌手・杜このみにとって、どんな影響を与えていますか?

独身時代は、みんなが歌えないような難しい曲を歌いこなせる歌手になりたいとか、オンリーワンになりたいとか、いろいろ考えていました。でも今は、聴いてくださる方の心にジーンと伝わるような、寄り添えるような曲を歌えるようになりたいと、目標が変わってきました。それは家族を持って生活が大きく変わったことが影響していると思います。独身の時は自分のしたいことだけを追求していられましたが、今は家族のことを考えて栄養バランスのとれた食事を作って、自分のこと以上に周りを考えながら生活するようになりました。でも、その時間があるからこそ、自分の好きな歌に向かい合う時間がより楽しく幸せで、以前よりもっと歌を大切に感じるようになりました。

——力士の妻として、そして2人の子の母として、歌との両立は大変だけどやめられない?

はい、1つも諦めたくないです。「歌っている暇がないのでは?」と言われることもありますが、私にとって歌は自分の軸で、生きていくうえですごく大切なものです。確かに子どもがまだ小さいので忙しいですが、これが一生続くわけではないので、今が頑張り時だろうと思っています。主人を気遣いながら、娘と息子をケアしながら、自分の歌も頑張っている今がすごく楽しいです。

——お休み期間中も歌の練習は続けていたのですか?

娘を出産してすぐの頃は子育てでいっぱいいっぱいで、発声練習が全然できませんでした。小さい頃から民謡を習っていたという自信があったので、練習しなくてもすぐに歌えるようになると思っていたふしもありました。ところが、声が全然出なくなってしまって、復帰を決めてからは毎日のようにスタジオに通って練習しました。喉も筋肉なので、使わないとすぐに衰えてしまいます。細川たかし師匠に復帰を報告したら、まず「練習しろよー!」って言われました(笑)。

——ちなみに、お子さんにはどんな子守唄を歌われていますか?

娘と息子で好みが違います。娘はラップみたいな早くて元気のいい歌でなければ寝ないし、息子は静かな曲でないと寝ないので、それぞれに自作の曲を歌っています(笑)。杜このみ作詞・作曲なのでオンリーワンですが、2人とも一般的ではない歌を聞いている状態ですね(笑)。

——高安関はお母様がフィリピンの方ですが、フィリピンの歌を聞くようになったということは?

それはないですね。主人は演歌や歌謡曲が大好きで、今はプロフィールに「好きな歌手は杜このみ」と書いてくれていますが(笑)、石原裕次郎さんが大好きです。ただ、お義母さんがとてもきれいな英語を話される方で、歌うときも英語の歌が多いです。それを聞いて勉強させていただいて、今度、私も洋楽に挑戦してみようかなと思うようになりました。あと、これもお義母さんの影響ですが、彼女と接することで視野がすごく広がって、日本だけでなく、世界中の人たちに演歌の魅力を知ってもらうためにはどうしたらいいかと考えるようにもなりました。そのためには、まず自分が説得力のある歌を歌えるように、本格的な演歌歌手として一歩前に進めるようになりたいと思っています。

——歌手生活10周年を迎えて、新たな目標が生まれました。

歌えない期間を含めての10年だったので、10周年を迎えた今年、自分が歌える環境にいられることがすごく幸せだと思います。でも、10年ってすごく長いイメージがありましたが、デビューしたのがつい最近のようにも感じて、実はもう新人じゃないということにちょっと驚いていて(笑)。ずっと新人がいいのにと思ったりもしています。

——それはなぜですか?

新人だと失敗しても許してもらえるというか、歌詞を間違えても「大丈夫」と言ってもらえる雰囲気がありましたが、10年歌っていると「もう失敗するわけがないよね」という感じで見られてしまうじゃないですか(笑)。今、新人の方々は皆さん堂々と、しっかりしている人がすごく多くて。そんな中で、未だに私は「こんなに緊張してすみません」という感じで歌っていて、先輩として後ろ姿を見せるような年齢になってしまったという気持ちです。

——いろいろな経験を積み重ねて人としても成長して、それが今回の記念シングルにもしっかりと表れていると思います。

レコーディングの時に、スタッフから「歌に大人っぽさや説得力が生まれてきたね」と言われて、「自分自身では気づかないところで人生経験が生きているのかな、成長した部分が少しはあったのかな」と思えてうれしかったです。民謡でもまだまだ足りない部分がありますし、人生はずっと修行だと思っています。私の民謡の師匠は92歳で亡くなりましたが、毎日歯医者に通って歯の微調整をして尺八を吹いて、最後まで努力と練習を重ねていました。音楽は、それくらい究めてやっと周りに認めてもらえるものなのだなと、師匠の後ろ姿を見て思ってきました。私自身も一生修行の覚悟で、前を向いて歩いていきたいです。

——10周年の今年、やりたいことはありますか?

長いことキャンペーンをやれていなかったので、今年はいっぱい実現したいと思っています。キャンペーンは生歌を近くで聞いていただける一番の機会ですし、ファンの方々と至近距離で交流を深められる触れ合いの場でもあります。フリートークの勉強にもなりますしね。コンサートも大切にしたいですが、自分や、自分の歌を成長させてくれるのは、やっぱりキャンペーンだと思います。

——では、最後にファンへメッセージをお願いします。

『葦風峠』は、1回聞いたら歌ってみたくなるような、素敵なメロディラインに仕上がっています。歌い始めが強くなりすぎないように、低音の響かせ方を意識しながら、ぜひ歌ってみてください。また、カップリングの『みなと桟橋』は音域が広くて、高音もめちゃくちゃ高くて、最初から最後まで気合を入れて歌わないといけないくらい体力が必要な難しい歌なので、上級者の方にぜひ挑戦していただきたいです。10周年を迎えて、もっともっと日本中の皆さんに愛される演歌歌手を目指して頑張っていきたいと思いますので、今後とも応援のほどよろしくお願いします!

杜このみ デビュー10周年記念曲『葦風峠』

発売中

品番:TECA-23032
価格:¥1,400(税込)

【収録曲】

1.葦風(あしかぜ)峠(作詞:円香乃/作曲:岡千秋/編曲:南郷達也)
2.みなと桟橋(作詞:円香乃/作曲:岡千秋/編曲:南郷達也)
3.葦風(あしかぜ)峠(オリジナル・カラオケ)
4.葦風(あしかぜ)峠(メロ入り・カラオケ)
5.みなと桟橋(オリジナル・カラオケ)

細川たかし一門 ビッグコンサート ~夢グループ主催~

出演:細川たかし、杜このみ、彩青、田中あいみ

7月19日(水)三重 三重県総合文化センター 大ホール
7月20日(木)京都 宇治市文化センター
7月21日(金)大阪 南海浪切ホール(岸和田市立浪切ホール)
8月9日(水)愛知 岡崎市民会館 あおいホール
8月10日(木)愛知 知多市勤労文化会館 つつじホール
8月11日(金)愛知 犬山市民文化会館
8月29日(火)大阪 高槻城公園芸術文化劇場 南館 トリシマホール
8月30日(水)兵庫 西宮市民会館(アミティ・ベイコムホール)
8月31日(木)大阪 大阪国際交流センター

チケット:
https://yumeconcert.com/concert/hosokawa-ichimon
お問い合わせ:0570-064-724(10:00~18:00)

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