相棒は “ジェイ・モナハン” アリセン・コープスが涙の初V

クラッチパットを沈めて同じ最終組の畑岡奈紗を逆転した(撮影/高藪望)

◇海外女子メジャー◇全米女子オープン 最終日(9日)◇ペブルビーチGL (カリフォルニア州)◇6509yd(パー72)

後半11番、1打リードでもアリセン・コープスは肝を冷やした。6Iと迷った末に5Iで打とうとしたセカンド直前、風が弱まるのを感じて仕切り直すと、バッドタイム(プレータイム超過)の警告が入った。

米女子ツアーでは2度目で罰金だが、全米ゴルフ協会(USGA)主催の今大会は2度目で1罰打と試合の結果にも直結するルール。「(もともと)私は決してスロープレーヤーじゃない。集中力を切らさないよう、自分に言い聞かせた」。冷静に切り抜け、14番(パー5)からの2連続バーディで2サム最終組の畑岡奈紗を振り切った。

初優勝がかかる終盤も落ち着いていた(撮影/高藪望)

4月のメジャー「シェブロン選手権」では首位で迎えた最終ラウンドに「74」をたたいて敗れた。「正直、シェブロンでは大会を通してショットが良くなかった。今週はいいスイングができているように感じていた」。1打差を追いかけるスタート前から、ひそかに自信があったという。

キャディのジェイ・モナハンさんとともに涙の初V(撮影/高藪望)

初優勝の重圧と無縁かのように安定したリズムで回り切った18ホール。ウィニングパットを沈めると、キャディのジェイ・モナハンさんと涙ながらに喜びを分かち合った。ジェニファー・カップチョの夫であり、PGAツアーのコミッショナーと同姓同名のキャディとしても知られるモナハンさんとのタッグは昨年から。「兄のような存在」と信頼を置く。

米国籍だがフィリピン人の父と韓国人の母の間に生まれた(撮影/高藪望)

フィリピン人の父と韓国人の母の間に生まれ、普段ハワイにいる父が観戦に訪れた試合で勝てたことがうれしい。「全米女子オープンというだけでも大きな意味があるけど、それがペブルビーチ開催となれば、なおさら。本当に夢がかなった」。畑岡の悲願を阻んだ25歳にも、やはり負けられない理由があった。(カリフォルニア州ペブルビーチ/亀山泰宏)

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