工場閉鎖で100人超が失職か、市やハローワークが支援に乗りだす 山口県岩国市

9月末で生産を終了する旭化成建材の岩国工場

 建材メーカーの旭化成建材(東京)が岩国工場(山口県岩国市)を閉鎖する影響で、同工場で働く約200人のうち、失業の可能性がある人が100人以上に上ることが分かった。工場は9月末で生産を終え、地元での再就職を希望する従業員も多いとみられる。岩国市やハローワークなどは支援を強化している。

 同社や市によると、岩国工場では、同社の従業員約70人と、子会社の従業員約110人が働く。工程の一部を担う協力会社の従業員を含めると計約200人に上るという。子会社は廃業するため、従業員約110人全員が職を失う。

 旭化成建材は従業員の配置転換を検討している。しかし、岐阜県や茨城県の工場などへの異動となる。関係者は「岩国工場で働く従業員の大半は、岩国での再就職を希望している」と言う。

 市や岩国商工会議所などでつくる市雇用対策協議会は6月、再就職の希望者を受け入れるよう地元の企業に呼びかけを始めた。商議所に加盟する製造業や建設業の企業に求人や給与の情報を求め、再就職をあっせんする産業雇用安定センターに伝えている。

 同センター山口事務所(山口市)は6月、子会社と協力会社の従業員を対象に、再就職の説明会を岩国工場で開いた。今後、従業員から賃金や勤務時間などの希望を聞き取り、採用を検討する事業者との面接を設定する。

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