岸田文雄首相は11日、リトアニアで開かれるNATO首脳会議、ベルギーでのEU定期首脳協議に出席するため、政府専用機で羽田空港を出発した。出発に先立ち、日本とNATOの協力文書を発表すると表明。欧州訪問に関し「分断や対立ではなく国際的な協調に導くべく、自由で開かれた国際秩序を堅持していくことを同志国と確認する機会にしたい」と公邸で記者団に述べた。
首相が表明した日本とNATOの文書は、海洋安全保障や偽情報対策、宇宙分野などでの協力を明記した「国別適合パートナーシップ計画」が念頭にある。「日本とNATOの連携協力を新たな高みに引き上げる」と強調した。
首相は、NATO首脳会議に参加する韓国の尹錫悦、ウクライナのゼレンスキー両大統領と個別に会談する予定だと説明した。尹氏との会談に関し「緊密な意思疎通を通じて協力をさらに進める」と語った。NATOのストルテンベルグ事務総長や、リトアニア、ベルギーなどの首脳とも会談する。
リトアニア訪問前の11日午後には、政府専用機の給油のためポーランドに立ち寄る。