豪雨影響で小ネギ高騰 九州産が中心 品薄さらに

九州地方を中心とした大雨の影響で、小ネギの相場が上がっている。10日、主要市場の卸売価格(1キロ平均)が7月前半では過去5年間の最高値を記録。今後は出荷量が一層減る恐れがあり、連休前に需要が強まる週後半は、品薄でさらに強い展開が見込まれる。

小ネギの産地は九州北部に多い。東京の主要市場では、7月前半は福岡、大分県産で総量の半分を占める。10日の日農平均価格(各地区大手7卸のデータを集計)は1キロ980円と、平年(過去5年平均)比26%高。東京の青果卸は「収穫を早めた産地もあり、現時点で品薄は顕著ではないが、先々の品薄を見越して前週から強含みが続く」と話す。福岡県のJAは「浸水が続く畑もあり、長引けば一層の出荷減は避けられない」と懸念する。JA全農おおいたは「曇雨天が続き軟弱気味で、高温による倒伏が目立つ」とし、今週の出荷は前週より2割減と見通す。

気温上昇で、薬味需要は高い。青果卸は「3連休に向けて需要が高まる。豪雨の影響が重なると一層上がる可能性がある」と見通す。

大阪市中央卸売市場本場では10日、小松菜と水菜が、どちらも福岡産1袋(200グラム・中値)65円で前市比22円高。絶対量不足で、相場を上げた。大阪の青果卸は「今は茨城産で補うが、福岡産の生育回復には1カ月ほどかかり、しばらく強含み」と見通す。

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